アニメ「BLEACH 千年血戦篇」 第27話「A」感想
1年振りにBLEACHの感想を書く3ヶ月の始まりじゃ〜!!
今月からはこっちを優先するけど、夏クールのアニメ「なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?」の感想をまだ第2話までしか投稿できていないので (ひどい)、そちらの感想もいい加減ちょっとずつ書き進めていく予定……。
BLEACHの感想では原作における先の展開や小説「Can't Fear Your Own World」のネタバレが含まれることがあるので、あらかじめご了承くださいませ。
第27話「A」
前クールで衝撃的だった千手丸の卍解をもう一度見せてくれた上で、Bパートでは1年待った不転太殺陵にアニメオリジナルの千手丸 VS 雨竜の戦闘シーンもあり、大満足の1話目。
特に雨竜関連では原作で明かされていない設定に関連するであろう描写が複数追加されていて、何が起こってるのか完全には分からないなりにあれこれ考えるのも楽しいし、ここからどう展開していくのかワクワクする。
原作の千年血戦篇の3分の2を2クールで消化したのにもう2クールあるということで、第3〜4クールでは合わせて単行本6〜7巻分くらいのボリュームの新規シーンが入る計算。
一体何をする気なんだ……?というのは第2クールの頃から気になっていたので、その半分が今季でついに答え合わせされるのだと思うと毎週の放送が楽しみ。
オープニング
楽曲
SIX LOUNGEの「言葉にせずとも」。
「お祈り」とか「神様」とか少し宗教色のある歌詞が霊王を彷彿させつつ、一護と雨竜が立場を違えている今の展開に対してサビに「言葉はもう必要ないさ それ以上に通じ合ってる」という詞を持ってきているのが熱い。
戦いがますます激化していくのに合わせるように曲調も第1〜2クールよりも激しめのロックで、個人的には旧アニメも含めたアニメBLEACHのOP曲の中でダントツに好み。
(↑の部分は10月10日に書いたのだけど、翌11日に公式サイトで公開されたSIX LOUNGEのインタビューで作曲をされたメンバーの方が「結末に向けてどんどん戦いが佳境に入っていく、戦いが激しくなっていく様子を表現できるように意識しました」と語っていて、その意図ちゃんと伝わってますよ!!と嬉しくなった)
映像
映像の方はモノクロを基調に目やエフェクト類など部分的にだけ有彩色を入れるというスタイリッシュなカラーリング。
やり方は違うものの原作における引き算の美学に近しいものを感じる。
よく毎クール違ったお洒落さを出してこれるなぁ……。
サビ前のタメにタイトルロゴを持ってくるのも格好良い。
映像自体も綺麗で、原作の展開や対戦カードが美しく映像に落とし込まれていてテンションが上がる。
アニメ本編とは光の表現とかも変えているせいか、ノンクレジット映像 (何故か最速放送日の1日前にYouTubeで公開されていた) を見た時には劇場版のトレーラーか何かを見てるみたいだという感想を持った。
ノンクレジット版でイントロの一護の背後に随分大きくスペースを取ってるなと思っていたら、クレジットあり版では「TITE KUBO」がクソデカ表示されてて、格好良いけどあまりのデカさにちょっとフフッてなった。(笑)
映像:イントロ・アウトロ部分の右腕
ユーハバッハが能力で未来に干渉する様子を比喩的に表現したイメージ映像か。
第14話冒頭のシーンに登場した「ユーハバッハの母らしきもの」もなんとなくこの腕に近いタッチで描かれているので、あれも人間としての実母ではなく存在を与える力の比喩表現であるという予想 (第14話の感想記事参照) はそれほど間違ってない気がしてきた。
最後のシーンで霊王がぷちっと潰され、鮮やかな青色だった画面から色が失われるのは少し心にチクリと来る。
映像:展開に関する疑問
恋次をフィーチャーしたカットが2回あったのが気になった (Aメロの終わりとサビの終盤)。
原作だとこの辺りに恋次が大きく活躍するシーンはない筈なので、恋次周りにも何か新展開が追加されるのか……?
Aパート
第26話の振り返り
第27話を見る前に第26話だけでも見直しておこうかなぁと思いながら結局見直さないまま配信開始日を迎えてしまったので、見たかったところをもう1回やってくれてちょうどよかった。
展開は覚えてるので個人的には「話を思い出すため」の振り返りは必要ないのだけど、第2クール最終回のあの盛り上がりの続きから話を再開する (視聴者の気持ちを第26話の直後に近い状態まで引き戻す) ためにも千手丸の卍解からもう一回見せるというのは意外と重要だったのかも、とも。
1年前に第26話を見て以来という視聴者もいるだろうし、何なら第2クールを見てない状態でこの回を見たっぽい人もSNSで何人か観測した。
分割複数クールなのもあってこういう親切は思ったよりちゃんと役に立っているらしい。
もう1つ、第26話の続きからやると今回のユーハバッハの『我が眼の瞑じた状態で よもやここまで見えているとは』が第26話での『……ここまで……』を受けての台詞であることが分かりづらくなりそうだなとも思ってたので、振り返りのお陰でこの問題がクリアされてたのも良かった。
追加シーン:その頃の一護たち
霊王宮へ向かう一護たちのシーンが追加。
織姫が『そんな凄い人たちなら、滅却師の人たちにも負けないよね!』と丁寧に零番隊敗北フラグを立てている。(笑)
アイキャッチ
第1クールの放送開始前にYouTubeで公開された「ショートPV:護廷十三隊」「ショートPV:星十字騎士団」「ショートPV:現世」ではそれぞれテーマカラーにマゼンタ、シアン、オレンジが使われていた。
この3色のうちマゼンタが第1クールで、シアンが第2クールで本編のテーマカラーとしても使われたので、第2クールの頃には「第3クールのテーマカラーはオレンジだろう」と踏んでいたが、PV第4弾から予想できた通り今クールのテーマカラーは「黒」の模様。
オレンジは第4クールで使われるのかな?
「刺絡」
大方の予想通り「刺絡」が千手丸の斬魄刀名であることが確定し、始解の能力も判明。
第26話の感想記事では「刺絡」の本体は背中の6本腕と予想したけど、今回の説明には「始解時は針の形状に変化し、」とあるのみで、元の形状は謎のまま……。
卍解の能力についても説明があったものの、親衛隊とハッシュヴァルトに対する攻撃が未来の死因や今後の展開を彷彿させるものになっていたことについては言及なし (同じく第26話の感想記事では、霊王に与えられた力により「未来を視る」能力が限定的に作用しているものと予想)。
「六人の滅却師を相手にした修多羅は『死出六色浮文機』を謳った。」という書き方になっているので、やっぱり敵の人数によって技名も変わりそう。
Bパート:和尚 VS ユーハバッハ
開眼
決まったページ数ごとに話を切らなければならない漫画と違ってアニメではシーンが続くからか、「全知全能」に関する台詞の順番が原作からいくらか入れ替えられていた。
ユーハバッハの開眼と同時に親衛隊+ハッシュヴァルト&雨竜が復活したのは、開眼によって増した力のいくらかを分け与えたとか?
「現在」で既に確定してる結果を未来改変でなかったことにするのは無理そうだし (それは「完全反立」の領分)、このシーンでは後述の演出も入ってなかったので、未来改変によるものではなさそうに見える。
和尚を刺したのが元柳斎を斬る時にも使っていた霊子の剣なのはアニメを見て初めて認識したけど、原作を読み返してみたらさりげなく描かれてた。
アニメを見て原作の描写に新しい発見があるのも面白かったりする。
未来改変
「全知全能」の発動時、画面全体が色反転するような演出が入っていた。
和尚が四散するシーンを見るに未来を改変した時にこの演出が入るようで、「全知全能」によって起こされた事象であることが原作よりも分かりやすくなってるし、何とも言えない禍々しさがあって良い。
今回の演出からして、「未来を見て知った力が効かなくなる」というのも「『その力が効かない未来』に改変している」という解釈でよさそう。
不転太殺陵
不転太殺陵の発動開始 (歌の後) から『『真黒な地獄へ堕ちるがよい』』までのシーンは先日の「Krew beInside」で先行公開されていたので、歌のシーンのみ初見。
原作でも鬼道の詠唱とは違って節をつけて歌っているような書き方だったのでこういう方向性になるんだろうとは思っていたものの、想像以上にちゃんと歌だった。
いきなり歌いだすのはシュールといえばシュールだけど、その滑稽さと不気味さが合わさって得体の知れない神事らしい異質な雰囲気が出ていたと思う。
詠唱が終わるまでユーハバッハは足元が墨で固まって動けないという描写が追加されていたのも細かい。
Bパート:千手丸 VS 雨竜
諸々の考察は記事の最後に。
新規戦闘シーン
千手丸の術中から解放された雨竜の追加戦闘シーン。
飛簾脚で空中を飛び回りながらのアクションはダイナミックで見応えがあった。
原作であまり活かされなかった血装が役に立っていたのも良し。
それにしても雨竜、「光の雨」好きだな……。(笑)
千手丸の方は反物の中を渡っていくのがあの空間の支配者という感もあり独特の演出で面白い。
「娑闥迦羅骸刺絡辻」は反物自体を攻撃に使ったり、マグマに雷に瓦礫にしまいには虚を召喚したりと千手の名に恥じない多彩さ。
「炎と水の両方を操る斬魄刀などありはせん!」のだとしても、直接的にマグマや雷を操っているのではなくて「様々な特性の反物を織る」能力だからこういうのもアリなのか。
雨竜逆転
雨竜に翼出とるーーー!?
今回一番衝撃を受けたシーン。
これは雨竜の完聖体なり力を失わない完全版最終形態なりが出そうで期待が高まる……!
千手丸は優勢の状態から雨竜の能力で状況を交換され敗北。
原作を読んでた時は「シンプルに自分と相手の傷を逆転させる」以外にどんなことができるのかあまり想像がつかなかった「完全反立」、ハッシュヴァルトに「陛下の御力に刃向かえる」と評されるだけあって結構トンデモ能力だなぁ。
零番隊の卍解はその強力さゆえに発動すれば基本的に負けないという前提はある上で、血盟の封印を解くために卍解前に3人死んでいるので卍解した1人が万が一倒されると誰も敵を止められなくなってしまうという脆さがあるのも、逆転を許す展開の理由付けとして上手い。
止めを刺す時の『僕は石田雨竜。滅却師の誇りに懸けてお前を滅却 (ころ) す』という台詞は「第2クール告知PV」の最後に入っていて、誰に対する台詞なんだろう?と気になっていたのに第2クールでは使われていなくて「あれ?」となったポイントだった。
このシーンの台詞だったということは元々は今回のラスト辺りまでを第2クールに収めるつもりだったのかもしれないが、それだとせっかく千手丸の卍解が出て盛り上がったのにその回のうちに敗北して第3クールに続くことになるので、結果としては一旦零番隊が勝利したように見えるところで切ってくれてよかったと思う。
しかし雨竜、最終的に一護たちのことは裏切らないつもりとはいえ死神一人殺してしまうのは覚悟決まりすぎでは……。
あと、死神は滅却できないのでは。(そこ?)
Bパート:滅却師のターン
零番隊の紋章
自害した場合は単に消えるだけで、敵に倒されると焼け焦げたようになって消えるのはどういう違いなんだろうか。
霊王の元を目指すユーハバッハ
ユーハバッハが霊王大内裏に踏み入るまでの過程を補完する追加シーン。
霊王宮の柱が霊子に分解されて大内裏への階段に組み替えられていく様が荘厳に描かれていて、滅却師側に形勢が傾いてしまったことの重大さと、力を取り戻したユーハバッハの滅却師の王としての風格が感じられる演出になっていて良い。
階段を一段一段上っていく足音を「手向けの鐘」になぞらえた台詞もBパートを締めくくる台詞として格好良かった。
エンディング
水槽さんの「MONOCHROME」。
アンニュイな曲調がお洒落で、PV第4弾を見た時からEDも良いな〜!と思っていた。
Bメロで拍子もテンポも変わったりサビの後半にラップがあったりと1番だけでも展開が目まぐるしく変わって退屈しない。令和のED曲という感じがする。
死神の黒と滅却師の白を表していると思われる曲名も秀逸。
映像面では、コインの表と裏のようになった「滅却師の街に組み替えられた霊王宮」と「影の領域と入れ替わった瀞霊廷」? (シルエットなので自信なし) の全体を90度回転させて左右に2分したビジュアルには「おおっ」と思わされた。
Cパート
シリアスなシーンなので、流石に岩鷲が三天結盾から漏れるくだりはカットされていた。(笑)
和尚の『霊王を護ってくれ 一護――……!』に対して一護の返答が追加されていたり、『現世も 虚圏も 瀞霊廷も』(原作とは順番が入れ替わっている) のシーンで現世や瀞霊廷にいるキャラたちを映すことによって「世界の危機」という漠然とした大きな問題が「身近な人たちの危機」と地続きであることを思い起こさせるようになっていたりと、細かい追加描写が良い仕事をしていた。
ユーハバッハが霊王に剣を突き立てた後、黒い画面に「BLEACH #27」の「A」だけが残って〆。
サブタイトルがまだ表示されていないことを忘れた頃にお洒落演出で見せてくるやり口 (?) は今クールも健在であった。
和尚の復活シーン
黒い謎物質がモゾモゾして復活するの、具体的に描かれてみると異様感が増すな……。
「大聖弓」が掠った時に隊首羽織の上から血が垂れていたり、ユーハバッハの血が体内に侵入してきた時も同じく羽織の上に血管が浮かんでいたりしたし、やはり黒いモゾモゾが死神の皮を被っているだけでいわゆる死神とは根本的に違う存在なのか。
藍染の元を訪れる京楽
少しだけ追加シーン。
原作では「全身きちんと封印されている藍染」は扉絵でしか描かれていなかったが、今回のこのシーンで「京楽が無間を訪れた時点では全身が封印されていた」ことが確定。
「残りの封印をどうやって解いた――…!?」の謎が明かされるのか?
というか、第6話でユーハバッハと話してた時に顔の封印が解けてたのは一体……?
(あのシーンは第1クールBDの特典ブックレットには「霊圧による会話」と書かれているので、映像として描かれたのは単なるイメージ?)
次回予告
Bパートラストの台詞に通ずるユーハバッハ視点の詩。
上のイラストは青年期のユーハバッハだけど、CVは天鎖斬月役の森久保祥太郎さんじゃないんだ。
しかし何故ここで若ユーハバッハなのか。アニオリで回想が入ったりする?
考察&妄想
千手丸関連
「霊王に見限られた者ども」
千手丸の滅却師への認識が「霊王に見限られた者ども」「死に損ない」と随分辛辣。
滅却師が「霊王に見限られた」というのは、
- 滅却師たちは虚に殺されることに対する根源的な恐怖から逃れるため、世界を生と死が曖昧だった原初の状態に戻そうとしている (=三界が保たれる限り滅却師たちは望む救いを得られない)
- しかし霊王は三界を保つことをよしとしており、裏を返せば滅却師を切り捨てる選択をしている
……ということを言っていると解釈した。
ただし霊王自身が滅却師に対してそこまで冷酷な態度を取っているのかは微妙で、「見限られた」とまで表現するのは千手丸の価値観が入っていそう。
千手丸は滅却師に個人的な恨みがあるんだろうか。
思えばこの人、1000年前の時点で既に死覇装を開発してはいたけど護廷十三隊の隊長だったわけではなくて (副隊長とかだった可能性はあるが)、1000年前の戦いにおける立ち位置が謎だ。
「ほんのちくりじゃ」
個人的にはこのシーンが一番謎。
敗北時の表情からして、千手丸は雨竜と口裏を合わせてわざと負けたようには見えない。
Q&Aの575.を踏まえると、千手丸は雨竜の特殊性まで見抜いているわけではなさそうだし。
かといって、本気で雨竜を殺すつもりだったら「針で首の後ろを刺す」よりもっと直接的な攻撃の方が確実に思える。
アイキャッチによると刺絡の能力は「針頭から無限に伸びる霊子の糸で縫い目を入れた対象を操る」だそうだが、そもそも「針頭」という言葉が一般的じゃなくて針のどっち側なのかが分からない。(笑)
針で刺して雨竜を操ろうとしたのだとしても、何のために?
血が出たことと雨竜の力が解放された (背から翼が出た) ことにはどういう関連性が?
何も思いつかないので、ここに関しては更なる追加描写なり答え合わせなりを待とう。
雨竜の謎
心臓の光
ユーハバッハの開眼に伴って雨竜が千手丸の術中から解放された時、雨竜の心臓の辺りから青白い光が発せられていた。
この「心臓辺りからの光」は第24話で雨竜が零番離殿と霊王大内裏を見上げているシーンでも出ている。
第24話での光は「霊王の力との共鳴」、今回の光は「ユーハバッハの力との共鳴」ではないかと思う。
「滅却師」と「心臓」といえば、
- 滅却師最終形態によって失った力を取り戻す方法は、「精神と肉体を極限まで削った状態で心臓の洞房結節 右19mmに霊弓の一撃を受ける」こと
- 聖別にかけられた滅却師は心臓に銀の血栓ができて死ぬ
- 聖別の詠唱の最後に「掲げるものは お前の心臓」
- ジェラルドは霊王の心臓らしい
- ジジの血を浴びると霊圧が低い者はその血液が1滴でも脳に達した時点でゾンビ化するが、霊圧が高い者は心臓でジジの血液が増殖して全身に行き渡ってようやくゾンビ化する
など思い当たることが複数ある。
1.〜3.からすると、滅却師の力は心臓の辺りで生成されているとかで、今回の光もそれに関係する、と考えられそう。
余談:
聖文字を授かる時にユーハバッハの血杯を呷るという儀式もあったので、聖文字の能力や血装は5.みたいに「ユーハバッハの血が全身に行き渡る」ことで使えるようになる能力なのかも。
目の血装と不完全な翼
千手丸との戦闘中、雨竜の「目の血装」がしきりに強調されていた。
OP映像でも目の血装が描かれている。
今回ほど激しくはないものの、第24話の心臓の光の直後のシーンでも既に「目の血装」が描かれている。
その時は単に「大内裏の中を見るため (理由は不明) の視力強化」くらいに思っていたけど、これだけ強調されているということは何かとんでもない設定が隠れていそう。
目に血装が出ている時に虹彩が赤くなっている (ユーハバッハと同じ色?) シーンとか、その直後にハッシュヴァルトが何か違和感を覚えているシーンもあったし、心臓から発せられた光の形や翼が消えた後のシーンで右手の甲に出ていた血装の紋様が若干ミミハギ様っぽかったのも気になる。
ちょうど今回、ユーハバッハは「力の9年」が終わらないうちに眼を開くと力の制御を失ってしまうため今まで眼を瞑じて戦っていたという話が出た。
私見としては、今回雨竜に起きていたことはそれなのではないか?と予想している。
つまり、雨竜にも「眼」の能力があって、雨竜はまだ「眼」を瞑じていなければならない時期であるにも拘らずユーハバッハとの共鳴によって半端に眼が開いてしまい、力の制御を失いかけた結果として不完全に翼が出たのではないか、と。
目の血装は外部からの「眼を開かせようとする力」に対する防御反応かなぁ。
雨竜に「眼」の能力があるとしたら
※ 小説「Can't Fear Your Own World」のネタバレあり
仮定の上に仮定を重ねるので、ここから先はかなり妄想。
雨竜に「眼」の能力があるとして、
- 「完全反立」に原作では明かされなかった「眼」の能力がある
- 雨竜の聖文字の能力は「眼」の方であり、「完全反立」は聖文字の能力ではない
- 雨竜は「完全反立」と「眼」の能力とで聖文字の能力を2つ持っている
の3つの可能性があり得るかと思う。
これらを考える時に一緒に考慮したい雨竜の特異性として、
- 混血統滅却師であるにもかかわらず9年前の聖別で死ななかった
- 「完全反立 (アンチサーシス)」には他の聖文字の能力と違ってTheが付かない
がある。
特異性2.は特異性1.の原因となる何かに由来するものと思っている。
元々特異性2.については、英語でtheは話し手と聞き手が共通認識として「知っている」ものに付くので、グエナエルの「消尽点 (バニシング・ポイント)」共々Theが付かないのはユーハバッハが「知らない」(支配下に置いていない) 能力であることを表してるんじゃないかと考えていた。
特異性1.から、雨竜はユーハバッハに力を与えられる前から何らかの特異性を持っていて、それは聖別に対する耐性として機能する (聖別の効果を受けない or 聖別の対象にならない) ものであると考えられる。
原作では霊王の心臓とされるジェラルドが聖別で死んでたけど、「混血統滅却師が霊王のパーツを持っている時」だけ何らかの理由で聖別に対して耐性が得られるという可能性はあるか……?
例えば「人間+滅却師+霊王パーツで3つの要素が混ざっていることによって霊王的性質がユーハバッハを上回るから」とか。
説1. 聖文字の能力 = 完全反立 =「眼」の能力
原作で雨竜自身が述べている通り雨竜の聖文字の能力は「完全反立」であり、「眼」の能力もその延長線上であるとする説。
未知の能力の存在を仮定しなくてよいので一番シンプルではある。
「完全反立」に「全知全能」のような「見る」能力が加わるとしたら、「千里眼のように三界のあらゆる場所の『現在』を見渡して、遠方の事象に対しても反転を行えるようになる」とかは思い浮かばないこともなく、それでもまぁまぁ強力だが、ユーハバッハの後継者として考えた時には「全知全能」よりも格下感が否めない。
また、先程の「霊王パーツを持つ混血統滅却師なので特殊」説だと霊王パーツが入っている時点で完現術かそれに似た力が発現して説2.になってしまいそうなので、説1.が成り立つためには霊王パーツが混ざっている以外の特異性が必要になり、意外とあり得なさそうな気がする。
説2. 聖文字の能力 = 全知全能、???の能力 = 完全反立
雨竜の"A"の聖文字の能力はユーハバッハと同じ「全知全能」なのであり「完全反立」は別系統の能力であるとする説。
この説の場合、Theが付かない理由は「完全反立は聖文字の能力ではないから」として簡単に説明できる。
聖文字の能力ではなく、かつ基本的に英語の名前がつく能力というと完現術が思い浮かぶが、「完全反立」が完現術だとすると
- 原作の雨竜は完現術である「完全反立」を聖文字の能力だと誤認していることになる
- 「完全反立」を使う時に完現光が出ていない
などはやや不自然。
ジェラルドとペルニダが聖文字を授かる前から (恐らく完現術ではない) 能力を持っていたことから、「聖文字の能力でも完現術でもない霊王由来の能力」は既に前例があると言えるので、「完全反立」は聖文字の能力でも完現術でもないが霊王的な力に由来する能力であるというのはあり得る。
聖文字の能力と完現術の名前がどちらも英語なのは双方ともに霊王的な力に由来する能力であるためだと考えられ、「完全反立」の読みが英語なのも命名規則としておかしくない。
説3. 聖文字の能力1 = 完全反立、聖文字の能力2 = 全知全能
この説では当然、「聖文字の能力が2つある理由」が疑問になってくる。
一応、「雨竜が持っている霊王パーツは『霊王の魂魄 (もしくはその一部)』であり、ユーハバッハの血杯を呷った時に雨竜の魂魄と霊王の魂魄の2つに聖文字が刻まれたため能力が2つある」とかも考えられなくはないが、他の2説と比べても特に突飛。
現時点での結論
今のところ、説2.なら
- 雨竜は何らかの霊王的因子を持っており、「混血統滅却師 (=滅却師+人間) +霊王パーツ」の時は因子数の多さから純血統滅却師よりも霊王に近くなり聖別に対する耐性が強まるため9年前の聖別で死ななかった
- 「完全反立」は霊王因子に由来する能力であり、聖文字の能力ではないためTheが付かない
- 雨竜の"A"の聖文字の能力は「全知全能」である
と一通り説明が付くので、個人的には説2.を押しておく。
次点で説3.の「魂魄が2つあるので聖文字の能力も2つある」というのも面白いんじゃないかなとは。
加えて、
- そもそも竜弦が霊王因子を持っていたので、竜弦を身籠った時に依澄 (竜弦母) は虚に襲われて左足に怪我をした
- 雨竜は竜弦から霊王因子を受け継いだ
と考えれば、意味深ながら何の伏線なのか分からなかった「竜弦母の左足の痣」についても解決する。
雨竜が何らかの霊王因子持ちであるというところまではそれほど的外れでもないんじゃなかろうか。
余談
「何故雨竜の能力が『反転』なのか?」も前々から気になっていて、これは雨竜の弓の持ち方が普通と逆である (初期の単行本でも言及されている) こととも関係するんじゃないかと予想している。
(「弓の持ち方が逆だから反転能力を得た」とかいう話ではなく、元々持っていた特異性に由来して能力が反転であり、「弓の持ち手が逆」という設定をその伏線にしているというイメージ)
でも、ここに意味があるとしてどこにどう繋がるのか見当がつかない……。
――――――――――
第27話の感想&考察 (&妄想) は以上!
配信で見てるので次話を見るのは日曜昼になるとはいえ、第28話の放送までにギリギリ間に合ってよかったー!
次は第28話の感想が上がるのか、それとも「なぜ僕」第3話の感想が上がるのかは、来週の俺のみぞ知る。
(2024/10/13:Bパートとエンディングの項の表現をいくつか微修正。雨竜の能力に関する考察を大幅に書き直し。)
(2024/10/15:「オープニング > 映像」の文章を微修正。雨竜の能力に関する考察の構成を整理。)
(2024/11/03:他の記事との兼ね合いで1ヶ所だけ表現を修正。本当にどうでもいいとこだけど……。)
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