アニメ「BLEACH 千年血戦篇」 第37話「SHADOWS GONE」感想

 アニメ千年血戦篇 第37話、京楽&七緒 VS リジェ戦決着回の感想です。


第37話「SHADOWS GONE」

枯松心中の出番が終わった後で原作のサブタイトル「THE THEATRE SUICIDE」を持ってくるのは似つかわしくないからか、珍しく原作にない新規サブタイトルな第37話。

原作既読のため、物語の感想よりもアニメで追加されたシーンや演出に関する感想がメインになりますのでご了承ください。
(第2クールの頃に毎回書いてたやつを久々に引っ張り出してきた)


アバンタイトル

京楽の回想

原作ではもう少し後にあった回想が冒頭へ移動してきて、回想の並びが時系列順に。
声が付いたりしたことによって、赤面する兄を見てニヤニヤしてる春水少年のクソガキ感が増してた。(笑)


Aパート:リジェ

復活

切断されたリジェの首から立ち上る光、原作を読んだ時は個々人で完聖体の色が違うと思ってなかったから青白い色で想像してたけど、緑色と金色が混ざった毒々しい色合いとグニョグニョした動きで、なんか……スライム系のモンスターみたいな……。(笑)

新しい首が凄い速さでモゾモゾ生えてくるシーンはペルニダとは別方向の気持ち悪さがあって良かった。

鳥形態

首が生える前までは元のリジェの声だったのに、首が生えた後は声の高さが別人のように変わり、翼や光輪も緑色が消えて金色のみに。
『罪深きものを見続けると 目が乾くなあ〜〜〜〜』とか『こうして地面から影を消したらどうなるのかなァ?』のテンションの高さが面白くて満足だった。
色が変わった理由とかの考察は記事の最後に。

七緒の背後に現れたリジェの顔がアップになるカット、羽毛の質感が感じられる描き方になっていてかわいい。
触りたい。

身体の変形描写

1発目の「裁きの光明」を撃つ前に腕が生えるシーン、光 (もしくは霊子) が集まって腕が形成されるのを想像してたら白いドロドロしたものが集まって腕になってて水溶き片栗粉を思い出した。(なんだその感想)

頭部が円盤状に変形して目がキュワラキュワラ (原作の擬音) と動き回るシーンと、その変形した頭部が練り練りされながら元に戻っていくシーンは、映像になるとより一層意味が分からなくて面白かった。
特に後者、こんな理屈で説明できそうにない構造のものをどうやってアニメーションとして描き起こしたんだ……?


Aパート:京楽&七緒

京楽の回想:双殛の丘

背景に双殛の丘が映ってて、過去の回の背景とかと合わせると京楽 (兄) 邸が瀞霊廷内のどの方角にあるのかが分かるかもと思った。(面倒なので今はやらない)

京楽 (兄) 邸+双殛 (処刑用具) の組み合わせで後の七緒母の処刑を彷彿した (七緒母が双殛で処刑されたわけではなくとも) けど、よく見たら双殛そのものは設置されてなかった。
常に設置されてるわけじゃないか、この頃にはまだ双殛が作られてない?

京楽の回想:『だけど 兄貴は死んだ』

縁側で昼寝という平和なシーンから一転、夕日の赤さが禍々しい。
七緒母が伊勢家に帰る日に雨が降ってたという新規描写もBLEACHだなぁ。

八鏡剣の包みの色

基本的に緑色で描かれてるのに、『その剣ならきっと――』〜『神剣・八鏡剣』までのシーンでは青色になってるのは何事?

伊勢家の祭事

何か具体的な情報が読み取れる感じではないけど初出しのシーン。
原作のこのシーンでは鳥居が描かれていたり、不入参道にも鳥居があったりと、霊王自身は名前からして日本人ではないものの霊王関連の事柄のいくつかは神道がモチーフに入っている模様。

それを踏まえると、和尚が仏教っぽいのはどう解釈すればいいんだろう……?
原初の世界の生き残りだし、霊王と同格の別種の神なのか。

「神剣・八鏡剣」

ポージングも格好良くてかなり好きな見開きの1つだった八鏡剣お披露目のシーン、アニメでは眩しすぎて七緒の姿が見えづらくなってるのが勿体なかった。
「リジェ目線ではギラギラ光って見える」という描写はこの後にあるんだし、ここではそんなに光らせなくてもよかったんじゃないかなぁ。

七緒『貴方の目に光って映るのならば〜』

このカットの七緒、やたらと作画が綺麗だし配信サイトではサムネに使われてたりとかもして印象に残った。美人さんや……。

七緒を引き取った老夫婦

原作で何となく不気味さを感じていた『伊勢の親戚という事でしたが それまで見たことのない人達でした』という部分が少し違う表現に変わってた。

某所で「お爺ちゃんの方の顔の骨格が京楽に似てるから、本当は京楽の方の親戚なのでは?」という説を見かけて、言われてみれば似てる気もするし、「彼らが伊勢の親戚というのは嘘」という示唆だったとしたら原作の表現にも納得だなぁ……と新たな気付き。

リジェに斬り掛かる七緒

リジェに八鏡剣で一太刀入れる七緒。
この辺りからの弾けた光とかの表現が綺麗でアニメ映えしてた。

八鏡剣がリジェの腕に食い込んだ後、腕の断面の縁が発光してから一瞬遅れて弾けるという演出、爽快感があって好き。
刃のない八鏡剣でリジェを斬れるのは、神の力 (ポーニポラではない) (いちいちややこしいな) の塊と化したリジェの身体に対して「神の力を振り撒く (≒拡散させる)」効果が作用して「力の塊」が「固まってない状態の単なる『力』」に戻されるからだろうかとふと思った。


Bパート

七緒の足の傷

原作では骨まで届いててもおかしくなさそうな深さの傷だったけど、アニメではそこまででもない?
その代わりというかアニメでは足元に血溜まりができるくらい血が出てて、どちらにせよ痛そうではある。

京楽が出てきたことに気付くリジェ

瞼をカメラのシャッターみたいにパシャパシャと開閉して京楽にフォーカスを合わせるリジェ。
確かにリジェ目線だと八鏡剣の光で京楽の出現に気付きにくいはずなので、別になくてもいいけど細かい演出だ。

「神の喇叭」

霊子の集まり方が「聖隷」っぽいような、でも周囲の建物が分解されてないのでそうでもないような。

ここも霊子のエフェクトが豪華で、辺り一帯が金色の光に照らされて音楽も壮大で、いかにも物語終盤の戦いの大詰めという雰囲気。
アニメだからこそできる演出や表現によって原作の良さが更にパワーアップしてて、「神の喇叭」が吹かれるまでの七緒の独白や回想、京楽の支えを得て凛と敵を見据える流れにも感じ入ってしまった。

リジェ、散る

第25話での聖別の時には青白い霊子の雨が降り、第26話では和尚の「一文字」による攻撃で黒い墨の雨が降り、今回は弾けて散ったリジェの神の力が金色の雨と化して降り。
霊王宮、いろんな色の雨が降るなぁ。

本体が消えた後に残った翼が小さい羽根に分かれながら落ちていくシーンも綺麗だった。

Cパートで吉良登場までやるかと思ってたけど今回はCパートなし。
次回のアバンタイトルでやるのか、そうでなければ第4クールまでお預けかな。

サブタイトル表示

3クールもやってるんだしそろそろお洒落なサブタイトル表示にも慣れてきたつもりでいたのに、またハイセンスな出し方をしてきてにやけた。
京楽と七緒がいる位置が「O」と「G」なことに何か意味はあるのかなと考えてみたが特に思いつかず。


エンディング クレジット

京楽兄の名前が「京楽春山」、七緒母の名前が「伊勢檍涼」と判明。
風流な語感の「春水」に対して「春山」は威風堂々とした響きで、難しい漢字は使ってないのにこっちも格好良い。

七緒母の名前も本人の雰囲気に合った響き。(読みはファンクラブでしか明かされてない?)
前回の次回予告にあった「憶 (おも) い」は「檍」の字とも掛けてたのかな。


次回予告

満を持してのバズビー。
『銃弾、鉤爪、軍旗、刀剣、五本指折り』に合わせて対応する指に色が付くのがニヤリ演出。

第39〜40話が1時間SPで、これまでのクールと同じなら配信でだけ第39話の最後に第40話の予告が入ることになるはずなので、第3クールの次回予告はあと2回。
バンビーズの戦闘もあるだろうから、うち1回はリルトットが担当しそう。
もう1回は原作70巻のハッシュヴァルトの巻頭歌か、第29話の感想記事で予想したバズビー&ハッシュヴァルト (原作70巻の巻頭歌は第4クールの雨竜 VS ハッシュヴァルト辺りで使う) かなぁ。

「光の帝国」の過去篇には第2クールに登場した新キャラの女性滅却師も出てきそう (ここで出ないならいつ出るのか) で、どんな新規シーンが追加されるのか予想できなくて楽しみ。


プチ考察

リジェの翼と光輪の色が変わった理由

元のリジェと口調や人格が変わりすぎていることや、体構造も変化して神の力の塊のようになっている (切断面から血が出ない) ことから、鳥形態のリジェは本人の人格が消えて力だけが暴走している状態だろう、というのは原作の情報だけでも推測できるところ。
完聖体の色が個々人で違うのは聖文字の能力の性質とか魂魄の個性が反映された結果だろうから、首が生えた時点で緑色が消えて声も変化したのはリジェ本人の人格が消えて彼の魂魄の個性による影響も消失したという解釈でよさそう。

聖章騎士の死後にその力が暴走して「神の力」を振るう存在になると翼などが金色になるものと解釈して、リジェと同じく本人の人格が消えて力だけが独立して動いてたっぽいジェラルド最終形態もアニメでは金色になるんじゃないかと予想。
あれが金色じゃなかったらまた分からなくなるけど……。

時に、アニメ千年血戦篇では一護、恋次、千手丸と死神の霊圧も黄色・金色系統の色で描かれてるんだよな。
「死神の力」と「神の力」……深堀りしていったら「そもそも何故『死神』の名前に『神』が入っているのか」とかいうところに繋がったりしないだろうか。
「死神」とは元々「死した神」(=霊王?) を指す言葉であった、とか。(適当に言ってます)


リジェは人なのか鳥なのか

音響さんが「人と鳥のどっちが本来のリジェなのか、何故鳥リジェはあんなことになっているのか」を確認した上で収録したとツイートされていた。
私見としては、「何故あんなことに」は前項の通りで、「人と鳥どちらが元か」については普通に人の方じゃないかと思っている。

リジェの名前のスペルがスペイン語っぽいこととか「チョコラテ・イングレス」がスペインの遊びであることから、リジェはスペイン辺りの出身ということになるはず。
ドイツ辺りにあったであろう「光の帝国」にやって来てから、しかも殺伐とした雰囲気の星十字騎士団の中で、スペインの子供の遊びである「チョコラテ・イングレス」を知れる機会は少ないだろうし、リジェの言い方的にも馴染みのある遊びという口振りだったので、スペインで人間として少年時代を過ごしていたと考えるのが順当じゃないかなぁ。

何故復活後のフォルムが鳥だったのか、まで教えてもらってたのならそれは気になる。
ジェラルドは何回復活しても人型ではあったしな。


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第37話の感想&プチ考察は以上。

いつになく書くのに時間が掛かってしまった。
これだけ書いてるのに文章構成上手くならないもんだな……。

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