アニメ「BLEACH 千年血戦篇」 第29話「THE DARK ARM」感想
書き始める時に一番エネルギーが必要なようで、こっちをほったらかして本館のプチリニューアル作業を進めていたら今週も土曜投稿になってしまった。
アニメ千年血戦篇 第29話の感想です。
小説「Can't Fear Your Own World」および読み切り「獄頤鳴鳴篇」のネタバレが含まれますのでご注意を。
第29話「THE DARK ARM」
OPが明けるなり浮竹が霊王の身代わりになる話をし始めて、「あれ? アバンタイトル見逃した?」となった。
浮竹に関してはミミハギ様を吸われた後ももう少し生き延びて戦闘シーンが追加されたりしないかなとは期待していたものの、過去についての掘り下げが入るのは予想外だった。
こういう方向性の新規シーンもあるのね。
Aパート:浮竹の過去篇 (幼少期〜霊術院時代)
ミミハギ様に祈祷を捧げる浮竹父母
浮竹の両親のビジュアルが初登場。
姿が描かれて台詞も追加されることで彼らがどんな気持ちで神頼みしていたのか人間性が見えて、原作では1.5ページ程度だったシーンが「物語の一場面」として肉付けされていて良かった。
ミミハギ様と対面する十四郎
精神世界にてミミハギ様との対面を果たす十四郎。
ミミハギ様の涙を飲むことで儀式が成立するのは、ユーハバッハの血杯を仰いで聖文字を授かる儀式を彷彿させる。
血と涙って成分は同じらしいし。
足元が水面なのは「原初の海」のイメージ?
小説で京楽が「浮竹の斬魄刀が二刀なのはミミハギ様の影響じゃないか」と予想してたけど、双魚理と対話する時もこの空間なんだろうか。
十四郎自身が一瞬「黒い腕」になった後、水面を背景に「BLEACH #29 The Dark Arm」。
Aパートのうちにサブタイトルが出るの、第3クールでは初だ。
こういう、度々ある「話の流れを切らずにシームレスにサブタイトルを出す」演出も洒落ていて良い。
……と書いた後にブログ内検索してみたら、第15話の感想でもサブタイトルの表示演出について言及する時に「話の流れを切らずに」という同じ表現を使っていた。俺は俺だなぁ。
流魂街:少年時代の十四郎
ここからしばらく完全新規シーン。
この年齢の浮竹初めて見るし、これまた初めて見るチンピラ (EDのクレジットより、名前は与五郎太) が出てきて「何だ!? こいつが浮竹の過去に関係してくるのか!?」と思っていたら別にそうでもなかった。(笑)
謎に強キャラ感のあるおよねさん共々再登場するような立ち位置のキャラではなさそうので、単純に浮竹の朗らかさと強かさはこの頃から変わらずだったという補完かな。
浮竹家は下級貴族だから家は瀞霊廷にあるだろうし、何の用で流魂街に来てたんだろう。
浮竹がおよねさんではなく与五郎太の方を心配して「よしなよ」と声を掛けたのは、他作品だけど「とある魔術の禁書目録」1巻冒頭の上条さん (スキルアウトを美琴から助けようとして首を突っ込む) を思い出した。
霊術院:京楽と浮竹の稽古
京楽と浮竹の出会いまで描かれるとは。
京楽の花天狂骨は封印状態の時点で二刀なのでともかく、双魚理は封印状態だと一刀なので、霊術院時代から木刀二刀流ということはこの時点で始解習得済みだったんだろうか。
今は亡き元柳斎、雀部、卯ノ花の姿が見られたのもサービスとして嬉しかった。
この時代の卯ノ花が描かれたのは初めてだと思うけど、設定上、髪型は現代と同じ三つ編みでよかったのか? (平子たちの過去篇では違う結び方だったので、三つ編み → 過去篇の髪型 → 三つ編みということになる)
最中を持って浮竹家へ
単行本巻末の京楽のプロフィールに好物として載ってる「久里屋の徳利最中」を出してくるの、小ネタすぎて笑った。
浮竹との思い出の品でもあったのか……。
浮竹の両親に続き、こちらも設定だけだった弟・妹たちが登場。
単行本のプロフィールによると5人いるらしい弟が今回は3人しか登場しなかったので、この後にもう2人生まれるということだろうか。
ミミハギ様の社
ミミハギ様、貴族の間では噂にはなってるんだ。
霊王の右腕が前進を、左腕が静止を司るという設定が先出しされ、浮竹がミミハギ様の力で生き長らえたのは「静止」の力によるものであったことを明言。
京楽と浮竹はこの頃は下の名前で呼び合ってたのか。
名字呼びになったのは隊長になってから公私を分けるためにとかなのか、他に何かきっかけがあったのか。
Aパート:浮竹の過去篇 (〜現代)
中央四十六室
中央四十六室にて、海燕亡き後の十三番隊に副隊長は置かないと宣言する浮竹。
「副隊長の任免権は隊長にある」という反論の仕方、京楽と全く同じだ。(笑)
尸魂界篇時点の四十六室は藍染に壊滅させられているので千年血戦篇時点とはメンバーが入れ替わってるけど、むしろ京楽の方が、この件があったから副隊長については押せば無理が通ることを知ってて浮竹と同じ論法を使ったのか?
縁側
「七緒がお酒を飲ませてくれない時に徳利最中を食べる」っていうのも、そういえば単行本プロフィールにある情報だった。
京楽の「命には懸けるべき時がある」という台詞で、この一連の回想が浮竹の「命を懸けるべき時」に至るものであることを思い出させられる。
元柳斎の死後 〜 すれ違う浮竹と卯ノ花
いよいよ時代が千年血戦篇まで戻ってくる。
無間へ向かう卯ノ花とすれ違う時の浮竹の台詞『近いうちに、また』が魂葬礼祭の後に地獄で再会することを言ってるんじゃないかというのをSNSで見て、一瞬「なるほど……?」となったが、
- 魂葬礼祭の真の意味については京楽も迷信程度にしか知らなかったのに、浮竹が確信を持って言えるほどに知ってるのか?
- 魂葬礼祭が行われるのは隊長の死後12年後なので「近いうち」ではないような? (死神の時間感覚だと近いのか?)
とかの疑問は浮かぶ。
浮竹は卯ノ花が死ぬことを見越していたのか、も分からないし。
読者視点でメタ的にそういう見方ができる台詞という意図ではあるかも。
Aパート:現在 瀞霊廷
無間
京楽、「多少の無理に留めておきなよ」(過去篇の間のシーンでの台詞) ってことは、浮竹が最初からここで死ぬつもりであることまでは知らなかったのか?
原作では浮竹がミミハギ様を吸われて倒れた時に京楽のリアクションは描かれなかったので、アニメでは何か追加描写があると嬉しい。
技術開発局
海燕の時に続いて二度までも、敬愛する上官が命を落とすかもしれないという場面を前に「何もせずに見守る」を選択しなければならないルキアが辛い。
浮竹が「誇りを守るための戦い」に身を投じたのに対して、京楽の藍染解放という他の隊長格からは忌み嫌われる行いを「京楽は『命を守るための戦い』を担う」という形で繋げたのも上手かった。
強いて言えば、浮竹が何故その考えを持つに至ったのか、きっかけになる出来事があったんならそれも描いて欲しかったかなぁ。
アイキャッチ
「ミミハギ様」
「太古の昔、天より瀞霊廷に落ちて来た〜」という記述が。
霊王の右腕が「瀞霊廷に」落ちてきた、と明言されたのは初?
霊王宮の真下に瀞霊廷があるんだから納得ではあるけど、誰が瀞霊廷から持ち出して流魂街まで持っていったのかが気になってくる。
あと、「太古の昔」ってどれくらい昔なんだろう。
そんな時代から瀞霊廷あったのか。
Bパート:霊王宮
原作615.と同じ構図ながら、原作と違って前回握らされた剣でそのまま斬り掛かる一護と、その攻撃を軽々といなしていくユーハバッハ。
「火力や特殊能力が優れていて強い」キャラクターがきちんと戦闘技術 (斬術や体術) の素養も備えているという描写は格好良くて好き。
第6話の元柳斎 VS ユーハバッハ戦の元柳斎についても同じことを思ってた。
一護がユーハバッハの剣をそのまま握っている件については、次回 剣を手放すシーンで何か追加があるのか?
「ミミハギ様がユーハバッハの眼に映らない」のはああいう演出になるのか〜。
無間のシーンでの「藍染に近付いた血飛沫が弾かれる」描写 (「藍染の霊圧は体表付近に留められているだけ」という設定の説明) といい、原作では台詞での説明のみだった設定が視覚的に分かりやすく演出されているのは良い補完だなと思う。
ちょっとだけ追加戦闘シーン
織姫を霊王の元まで行かせるために岩鷲が石波で目眩ましをし、囮としてチャドと夜一がユーハバッハへ突撃。
チャドの「悪魔の左腕」は技名ではなく能力名なので、攻撃時に叫ばれると個人的には違和感がある。
状況的にも「魔神の一撃」でよかった気が。
夜一の「雷王拳」は「UNMASKED」では「両腕を使ったラッシュ技」と説明されている (破面篇で対藍染戦時に使っていた技) が、今回は右腕に雷を纏った貫手に。
「両腕」と「ラッシュ」の要素がなくなって雷属性プラスってもう別物では……?
夜一「やったか!?」(霊王への双天帰盾に対して)
露骨にやってないフラグを立てるんじゃないよ!
第27話Aパートの織姫のフラグ台詞 (「そんな凄い人たちなら、滅却師の人たちにも負けないよね!」) はまだ許せたけど、シリアスなシーンで「やったか!?」は流石に間抜けじゃないかな……。
Bパート:瀞霊廷
技術開発局
前回の感想では「ルキア&恋次よりも先に行ったのにまだ着いてないのだろうか?」と書いた白哉、普通にいた。
檜佐木と弓親ももう手術室から出てきてたし、負傷メンバーの治療に関しては原作にあったシーンはほぼ丸々カットか。
あの辺りも千年血戦篇での浮竹の出番としては印象に残る部分だったので見たかった気持ちもありつつ、そのぶん原作にないシーンが多く見られたのでよしとする。
天賜兵装の準備は整ったが霊圧が足りないとのことで、門を作ることの説明・剣八が手術室から出てくる・霊圧増幅器辺りの話を次回か次々回にまとめてやる感じか。
霊王宮へ昇っていくミミハギ様
遮魂膜の欠けは原作では砕蜂が「瀞霊壁の一部が崩れたことで穴があいたのだろう」と推測してたけど、アニメではミミハギ様を避けるように遮魂膜に穴が開いてる……?
無間
上でも言及した「飛び散った血が藍染の霊圧に弾かれる」演出をやりかったがためか、鬼道衆?の迂闊な人、原作より勢い良く血出てたな……。
藍染が目以外の封印をどうやって解いたかは特に明かされず。
口の封印を解いてすぐに京楽の元まで歩いてきてるので、言霊の詠唱が必要な何かだとは思うんだけど。
それにしてもつくづく、藍染って口を開く度に台詞回しが秀逸で会話だけのシーンでも惹きつけられるし、速水さんの声も心地よいし、二重の意味でずっと聴いていたくなるな。
エンディング クレジット
浮竹の家族 (とついでに与五郎太) の名前が判明。
父:十三
父の名前が「十三」だからその次で「十四郎」なのか。
母:駒
お母さんは「駒」とはまた変わった名前だなと思って調べてみたところ、「駒」という言葉には「子馬」=「若くて元気な馬」というような意味があるらしい。
元気な子に育ちますように、的なことなのかな。
弟・妹たち
「萩道」という名前の子がいて、「変わった名前だな、萩ってミミハギみあるし……」というところまでは行ったものの、見晴・実純・萩道の頭文字を取ると「ミミハギ」になるというのはSNSで見るまで気付かなかった。
これ自分で気付きたかったなー!! 自分の感想書き上げる前に他の人の感想なんて検索するもんじゃねー!!
ミミハギ様のおかげで十四郎が生き長らえたからミミハギ様から名前を取ったのか。
見晴・実純・萩道・はな・たまって漢字名の3人とひらがな名の2人がそれぞれ近い時期に生まれてそうな名前だけど、5人で登場する場面を見ると後列2人と前列2人が年近くて真ん中の子が末っ子に見える。
どの子が誰だ!? BDのブックレット待ちか!?
次回予告
一護&雨竜と来たか!!
星=滅却十字、月=斬月=一護で、突き放した筈なのに追ってくるんじゃないよ君は、的なこと?
語感も綺麗で、アニメ用に書き下ろされた詩の中では今のところ一番好き。
上のイラストが白背景に一護の手 → 黒背景に雨竜の手と切り替わるのもアニメならではの演出で良い。
次回の一護 VS 雨竜がどれくらいガチバトルになるのか楽しみだ……。
この詩との対比で、そのうちハッシュヴァルトとバズビーが2人で予告を担当する回もありそう。
放送終了後
浮竹追悼イラスト
放送終了後、Twitterに追悼イラストが上がっていたので、浮竹は原作通りここで退場のよう。
新規戦闘シーンはなかったかぁ。
こと浮竹の場合は比較的、獄頤鳴鳴篇で登場の機会が望めそうなのが救いか。
昨日 (25日) 公式サイトに上がったインタビューで浮竹役の石川英郎さんが「『卍解』って言いたかった」と仰ってたし、何年後でもいいからいつか叶うといいな。
ミミハギ様Tシャツ (25日より受注受付)
いやどういうグッズ。
ミミハギ様の正式表記、「御身接ギ様」なんだ……。
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第29話の感想は以上。
そろそろ「なぜ僕」第3話の感想書きたいなとは思ってるんですよ。
思ってるんだけどこれ来年になりかねんな。
(2024/10/27:最中についてと次回予告について、少し追記。脱字を修正)
(2024/11/02:不要な空行を削除)
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