アニメ「BLEACH 千年血戦篇」 第30話「THE BETRAYER」感想
アニメ千年血戦篇 第30話の感想です。
雨竜関連であれこれ考えてたら第31話の最速放送までに投稿が間に合わんかった。
第30話「THE BETRAYER」
確かに前回の感想に一護 VS 雨竜が楽しみとは書いたけど、これほどのものが出てくるとは想像してなかった。
第28話の一護 VS ユーハバッハが相当良かったのもあって、あのクオリティを毎回期待するのは望みすぎだろうという気持ちもあったし……。
原作に沿ってちゃんと話も進めながら新規戦闘シーン盛り盛りで満足度の高い回だった。
第1・2クールもアクション良かったのに第3クールになってからまた格段に水準が上がってるなと思ったら、第3クールから各話にアクションアニメーターという役職を置いているらしい。(公式サイトのインタビューより。他のところでも出てる情報だっけ?)
これは今後の回にも期待してしまう。
アバンタイトル
霊王大内裏の底面が平らに見えるのは角度と光の加減か?
(底面は尖っている筈なので、ミミハギ様の影が当たってる辺りが頂点?)
Aパート:霊王宮 ― 雨竜登場まで
ミミハギ様に歩み寄るユーハバッハ
ユーハバッハ『命の残滓を辛うじて留めたというわけか』→ 一護『待て!!』の後にユーハバッハが発した波動は、変わった演出だったけど単なる霊圧? それとも「全知全能」の応用か何か?
ユーハバッハの剣を手放す一護
ミミハギ様の出現によって繋がれた希望を断たせないため、自分の血装でユーハバッハの血を追い出して剣を手放す一護。
前回、原作と違ってユーハバッハの剣でそのまま戦う展開になってたのは、自分のせいで霊王が死んで自棄になった状態からの再起を印象付けるために、ユーハバッハに抵抗しようとする意思の表現として「剣を手放す」シーンを使いたかったからか。
全体の中では大きな出来事ではないけど、原作の何気ない描写に新しい意味が付加されていて面白い再構成。
霊王の再封印を試みる夜一
原作では夜一の指で見えなかったお札の文字が「地噬門」と判明。
BLEACH的には「聖噬 (ハイゼン)」で既出の「噬」の字、調べてみたところ音読みは「ゼイ・セイ」らしいので、地噬門の読みは「ちぜいもん」?
「孔山門」は原作を読んだ時は「乱山門」だと思ってた。
(原作だと手書き文字なのと、擬音が被っていて文字が一部見えない)
あと、この封印の結界も勝手に直方体だと思ってたけど三角柱だった。
お札3枚を起点にしてるんだからそりゃそうか。
また夜一にフラグ台詞が追加されていた。
制作陣にそういうのが好きな人がいるのか? 正直要らんと思う……。
一護の斬撃を受け止めるユーハバッハ (左腕に血装)
そういえばこのシーン、原作では血装描かれてないのか。
こういう細かい描写追加も嬉しい。
結界のオレンジ色と血装の青色、2色の光に照らされたユーハバッハのカットも雰囲気があって好き。
Aパート:霊王宮 ― 一護 VS 雨竜
動きとかカメラワークの迫力もあるし、間合いを詰めて近接戦、「光の雨」によって下階へ落ちて建物の構造を活かした戦闘、一護がどう動くかまで先読みして待ち伏せで撃ってくる雨竜、と一連のアクションの中での状況の変化や駆け引きも面白くて見入ってしまう戦闘シーンだった。
滅却師としての技術の高さの表現で「弓なしで矢を撃つ」というのは、本来必要な工程を飛ばすという意味では詠唱破棄にも近いけど、意外と出なさそうな発想で久保先生の発案っぽいなと思った。
血装で矢を防ぐ一護
雨竜は一護が滅却師の血を引いてることまでは把握していなかったらしい。
宗弦の手記は主に滅却師の歴史をまとめたものであって、真咲が石田家にいたこととか比較的最近の身近な出来事については書いてなかったのか。
一護に滅却師の血が流れてることを知って、雨竜的には何か心境の変化があるんだろうか。
雨竜の「滅却師完聖体」
今回の一番のサプライズ。
第27話で前兆は見せてたとはいえ、本格披露は第4クールまで引っ張ってもおかしくないと思ってたし、完聖体が出るとしても最初の相手が一護とは予想してなかった……。
能力は矢羽を模した無数の小型霊弓を遠隔操作しての全方位&物量攻撃で、「矢を射て戦う」という滅却師の基礎戦法を極端に尖らせたというコンセプトか。
手足に出現した霊子の装甲やBパート終盤で形成した弓の持ち手部分も矢羽モチーフのよう。
「完全反立」と関連しそうな部分が見当たらないのが、「『完全反立』は聖文字の能力ではない」説の補強になりそう?
まぁ聖文字の能力との関連が薄い完聖体としてキルゲの「神の正義」という前例があるので微妙かもしれないけど。
個人的には、消失篇で死覇装姿の前座である一護の完現術スーツに名前が付かなかったように、今回雨竜の完聖体の名前が出なかったのももう1段階上の形態がある (この時点では習得していなくても) からなんじゃないかと思ったり。
力を失わない完全版の滅却師最終形態が出てくれたら熱いと思うんだよなぁ。
アイキャッチ
「三骨呪符」
あのお札は「引っ裂き蜘蛛網」みたいに名前出ないのか〜と思ってたらアイキャッチで紹介される新パターンだった。
霊王の存在を「繋ぎ留める」ための道具に、牙・角・嘴を「獣の体にある杭に似たもの」と捉えてモチーフに組み込む発想も、3つのお札に込められたとされる力の謂れも面白い。
しかし、その力の出所が謎だ。
原初の世界にはそういう存在が実際にいたのか……?
Bパート:霊王宮 ― チャド・岩鷲・織姫 VS 親衛隊
旋遍万花やら連環石波扇やら、懐かしい技が再登場。
しかし効果がないようだ。だろうと思った。
織姫はジェラルドの剣圧を四角形版の四天抗盾で受け止めた上で恐らく意図的に反らしていて、これは中々の健闘じゃなかろうか。
岩鷲は殺傷能力のある戦闘手段を持ってなさそうだし、織姫は人型の相手を傷つけるのに向いてないしで、ここで一番積極的に前に出るべきはチャドだったのではという気がする。
四天抗盾
反撃するわけでもないのに三天結盾ではなく四天抗盾を使ったのは、単に四角形の方が三角形より受け止める面積が大きいから?
「盾の両面」を拒絶できる椿鬼が加わることで「盾の外」への防御能力を底上げできる、とかもあるのかも。
余談
前回の感想に「『悪魔の左腕』は技名ではなく能力名なので、攻撃時に名前を叫ぶのは違和感がある」と書いたけど、原作でも72巻でナックルヴァールに殴りかかる時に「『巨人の右腕』!」と叫んでいるシーンがあったので間違ってはいなかった。
俺の読み込みが甘かったか、と思いつつ、まだ半分くらい納得できてない。(笑)
Bパート:霊王宮 ― 一護 VS 雨竜
建物内で戦っていたAパートとは打って変わって、狭い場所では捌き切れないと判断した一護は大内裏の外へ。
無数の小型霊弓相手の空中戦は、縦横無尽に飛び回るわ爆発するわで圧巻の躍動感。
これ、ロボットアニメとかでミサイル相手にやるやつ!!
雨竜『お前に僕は倒せない。諦めて落ちろ!』→ 一護『うるせえ!!』辺りのシーンなんかは劇場版か?ってくらいぬるぬる動いていて、クオリティの高さに「ここまでする……!?」とにやけてしまうほどだった。
雨竜の新技
無数の小型霊弓を集束させて五芒星の巨大な弓を作る新技「シュテルネンシュタウヴ」。
字幕だと漢字表記が「星くず」になってたけど、そんなことある……?
いつもの久保先生ならもっと技名然とした表記を当てそうなもんだけど。
意味としては、Sternen (星) + Staub (塵) = 星屑、というのはその通りらしい。
ただしStaubのbの発音は /p/ のようなので、本来は「シュタウプ」が近いのかな。
それはともかく、白帝剣しかり全ての力を束ねて撃つ大技というのはロマン。
霊王宮での修行でパワーアップした一護に対抗するように雨竜の方にも月牙十字衝に匹敵する新技が出たのは嬉しいし、5方向に散った矢が一点に集まって十字 VS 五芒星のぶつかり合いになるのも格好良かった。
……「匹敵する」というか、十字衝の方が押し勝ってたな。
やはり一護の火力がバグっている……。
決着
力では一護が勝っていたものの、覚悟が鈍ったところで雨竜が一護の右の肋辺りを撃ち抜いて決着。
原作ほど分かりやすく手加減してはいないまでも、これくらいなら双天帰盾で簡単に治せるのを見越して撃ってそうか。
話数表示
今回の「BLEACH #30」は、「30」の左の切れ目に「BLEACH」の右端をはめ込んだデザイン。
こういうシンプルなタイポグラフィもお洒落だなぁ。
B〜Cパート:技術開発局
門を作る話を一気にまとめてやりたいんだろうとは察せられるし、ひよ里たちの作業が終わるまで何もできないのは仕方ないとはいえ、浮竹の命がいつまで持つか分からない状況で全員悠長に待ってるだけになってしまってるのは見え方としてちょっといただけない。
小椿が何か力になりたいという意思を見せたり、自分も浮竹には生きて欲しいだろうにそれを堪えて勇音を引き止める清音、という追加描写は良かった。
この2人にも少しくらい戦闘シーンの追加ないかなぁ……。ないか。
どうでもいいけど、弓親と檜佐木が何を話していたのか少し気になる。
B〜Cパート:霊王宮 ― ユーハバッハとミミハギ様
ユーハバッハ VS ミミハギ様
ミミハギ様に浮竹の意思が載っていて、浮竹も世界の崩壊を食い止めるために最後まで戦っているという描き方になっていたのは、どうにか少しでも浮竹の活躍を追加しようというのが見えて良かった。
霊王を取り込むユーハバッハ
親衛隊+ハッシュヴァルト&雨竜が光の剣を掲げて力を捧げ、ユーハバッハはその力を宿した剣で水晶を切り裂き霊王を吸収。
吸収されるアドナイェウスの体が紐状にほどけていくのが、超常的なことが起こっているという感じがして視覚的に面白かった。
この超常感は、原作での「双天帰盾で欠損部位を無から修復する」類のシーンの描き方に近いものがあるような。(描き方であって、設定上関連がありそうという話ではない)
第2クール終盤の「聖別」だったり、第3クール1話目でユーハバッハが霊王大内裏へ霊子の階段を上っていくシーンだったり、アニメではこういう場面が大掛かりな儀式のように描かれていて、展開が動くシーンを映像としても見応えのあるものにしているのが良いなと思う。
ユーハバッハの『あるべき世界に私が戻す!!』という台詞とその演技も、原作では中々バックボーンが見えてこなかったユーハバッハの人間味と決意や使命感が垣間見えてとても良かった。
次回予告
藍染の新規書き下ろし予告詩!
黒棺の詠唱を一部引用するとか新しいことしてんな……。
黒棺の「地に満ち己の無力を知れ」って単純に高みから圧倒的な力で捻じ伏せる意味合いのメッセージと受け取ってたけど、今回の詩で他者を「無力を知らぬものども」と呼んでるってことは藍染自身は無力を知った側なのか。
藍染が霊王のことを知った経緯も気になるよなぁ。
考察
雨竜の完聖体の特殊性
1. 発動時に目から全身へ血装が広がる
キルゲやエス・ノトは滅却十字らしきものが完聖体発動の起点になっていたのに対し、雨竜の完聖体発動時は件の「目の血装」が起点になっていた。
2. 「光輪」がない
雨竜の完聖体には頭上の「光輪 (ハイリゲンシャイン)」がない。
キルゲ曰く光輪を壊されると「聖隷」が使えず、リジェも八鏡剣で倒されて瀞霊廷に落ちた後「光輪を失うと神の力が使えなくなる」ような口振りだったことから、光輪は完聖体において力を制御するような重要な役割を果たしているはず。
最初、雨竜の完聖体が未完成だから光輪がないのかと思ったけど、それほど重要な役割を持つ部位なのであれば完聖体の熟練度にかかわらず出そうなものなので、光輪がない理由は「完聖体が未完成だから」ではないんじゃないかと思う。
3. 発動時の光の柱に「聖隷」らしき現象
第21話でリル・ミニー・ジジが完聖体未発動状態で聖隷を使ってはいたものの、上述の通り少なくとも完聖体での「聖隷」発動には光輪が必要なはず。
「完聖体発動途中」の聖隷がどういう扱いになるのか分からないが、光の柱に「聖隷」のように霊子が集まっていく演出は他の滅却師の場合にはされていない。
考察
滅却十字および光輪の欠落
滅却十字にも光輪にも、「滅却師の力やユーハバッハから授かった力を制御する」ような機能があると思われる。
しかし雨竜は完聖体発動の起点に滅却十字を用いず、発動後の姿にも「光輪」がない。
完聖体時の聖隷には光輪が必要であるにもかかわらず、雨竜は完聖体とニアリーイコールであろう「滅却師最終形態」で光輪なしで霊子の隷属を行なったこともある。
雨竜の血だとか、体内にある何かが力を制御する役割を既に備えていて、滅却十字や光輪のような制御媒体を体外に必要としていない、ということだろうか。
そう考えると、今回やっていた「弓なしで矢を生成する」というのもそれによって可能になる技術に思えてくる。
雨竜の生まれ持った特殊性と目の血装
第27話の感想記事で、雨竜は何かしら霊王かそれに近い要素を持って生まれたのではないかという予想をした。
雨竜の体内に力を制御する役割を担っているものがあるとしたらそれじゃないかと思う。
ただ、起点となる血装が何故目から広がるのかが謎だなぁ。
第27話時点では目の血装は「眼」を開かせようとする力に対する防御反応と予想してたけど、今回を見るにそういうのとは関係なさそうだったし。
霊王の身体のパーツであるミミハギ様とペルニダが腕なのに目を持っていたりはするから、目ではない霊王パーツの持ち主でもその力が目を起点に現れるという可能性はあるか……?
雨竜の生まれ持った特殊性と光輪の欠落
「光輪」のモチーフである天使の輪は、絵画では天使に限らず神様とかにも描かれるらしいが、日本語では「天使の輪」と言えば通じる程度にはやはり天使のイメージが強い。
天使とは神の使い。
ユーハバッハから力を授かった滅却師たちが「天使」、ユーハバッハが「神」だとして、「神」自身は神の力 (ポーニポラではない) を制御するための器官を体外に後付けで必要としないはず。
前項までの話と合わせて、雨竜の完聖体に光輪がないのは「力を制御できる資質を自前で持っているから」であり、光輪がないことをもって雨竜が「天使」よりも「神」の方に近い (ユーハバッハと同格以上の何かを持っている) ことを表しているのではないかと予想。
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第30話の感想&考察は以上。
このブログ、Bloggerの謎仕様によって午前0時〜9時までの間に記事を投稿すると投稿日が「曜日は合ってるのに日付は前日の日付」という状態 (曜日は日本標準時で日付は世界標準時) になることが分かったので、次回の投稿までに直したい。
(2024/11/07:冒頭の文章を修正)
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