アニメ「BLEACH 千年血戦篇」 第28話「KILL THE KING」感想
アニメ千年血戦篇 第3クール2話目の感想。
特に前置きすることがないので、今回はさらっと本題に入ります。
第28話「KILL THE KING」
本格的に知らないBLEACHが始まった……。
前半の一護 VS ユーハバッハ戦が良かったのはもちろんのこと、単行本を読み返してみると今回は612.〜619.をベースにかなり話の流れが入れ替えられていることが分かって、追加シーンも交えながらよくあんなに違和感なく再構成したな……と驚き。
PV第4弾を見るにこの後の一護 VS 雨竜も本格的に戦う流れになってそうだし、今後も原作ではあっさりしていた部分に戦闘シーンを盛っていく方針なのだろうか。
アバンタイトル
霊王とユーハバッハの過去
いきなり新規シーン!
前回の次回予告が若かりし頃のユーハバッハだったのを早速回収。
原作のハッシュヴァルトとバズビーの過去篇での情報からユーハバッハが生まれたのは1200年ちょい前だと思ってたので、ユーハバッハが三界分立前に存在していたというところから予想外だった。
このシーンについてあれこれ考えるのはまた記事の最後に。
ユーハバッハの記憶を受信する一護
霊王適性を身につけたのが関係してか、一護の脳内にユーハバッハの記憶が流入。
このシーン、作画も演出も不気味だし、少し後に流れ始めるBGMもバイオリン (で合ってるか?) の2音の繰り返しが強烈に精神の安定を掻き乱してくる。
その頃の瀞霊廷と現世
原作と違って、霊王の胸に剣が突き刺された段階で既に三界が揺れ始めている。
ルキアの台詞、「感じたことのない嫌な感じ」って重複表現っぽくて変な語感だ。
ジジはこの状況下でも平常運転であった。
竜弦が握ってた「静止の銀」は、これで鏃を作るにしては量が少ない気が……。
霊王大内裏に辿り着く一護たち
ユーハバッハが霊王の水晶に手を触れる時の効果音、水晶の感触が伝わってくるリアルさで地味に凄い。
このシーンの直後に一護たちが来たような繋ぎ方になっているが、実際にはユーハバッハが霊王に剣を突き刺すシーンが省略されているので時間が飛んでるという映像トリック。
Aパート:霊王宮 ― 一護 VS ユーハバッハ
ユーハバッハとの対峙
大内裏の外から内部へクローズアップし、ユーハバッハと一護たちを横から映す位置へ視点が大きく移動。
カメラワークからも気合の入りようが見て取れる。
原作では一護たちは到着してすぐに剣を突き刺された霊王を見ることになり、そのまま一護が霊王を斬るシーンに続いていたが、アニメではそのシーンまでの間に長尺の一護 VS ユーハバッハ戦が追加。
麒麟殿やら和尚の離殿やらを好き勝手にぶっ壊しながらのド派手な戦闘で、Aパートにして早くもクライマックス。
大内裏の外で織姫たちが三天結盾に乗って戦いの様子を見上げているシーンで岩鷲だけ落ちそうになってるのは、前回やれなかった「岩鷲が三天結盾から漏れる」くだりの代わり? (笑)
一護 VS ユーハバッハ (閉眼) ― 前半
PV第4弾で映ってた場所がまさか麒麟殿とは……。
麒麟殿への落下中の「ユーハバッハが素手で一護の目を突こうとする」、落下後の「仰向けのユーハバッハに刀を突き立てるが静血装で防がれる」は第7話の一護 VS ユーハバッハ戦で逆の立場でやっていたことのオマージュ?
零番離殿が浮かぶ霊王宮の空を2条の閃光となって飛び回りながら高速で何度も斬り結ぶシーンはロケーションの広さを活かしていて大迫力。
このシーンも第7話での追加戦闘シーンを意識してるかも。
ユーハバッハの「その程度では一度臆せば死の未来しか残らんぞ」という台詞は斬月の「臆せば死ぬぞ」に重ねた台詞か。
一護 VS ユーハバッハ (閉眼) ― 後半
第7話以来 二度目の登場となるアニメオリジナル技の「苦悶の環 (クヴァール・クライス)」を今度は完璧に捌き切ったのは一護の成長の表現として良かった。
アニオリ要素の使い方が上手い……!
原作ではロイドが化けたユーハバッハが使っていただけの「聖域礼賛」を本人が使ったのと、対する一護の「月牙十字衝」がちゃんと最大威力の必殺技として使われてたのもテンション上がった。
直撃させるつもりで撃った月牙十字衝、初めてでは?
「聖域礼賛」は「聖唱」を言ってないので最高出力よりは少し落ちるのかもしれないし、踏み込んだ相手を迎撃する技らしいので外からの攻撃に対する防御性能がどうなのかは分からないにせよ、仮にも「極大防御呪法」と表現される技を正面から破ってみせたのは強化必殺技の面目躍如と言ってよかろう。
爆発の規模がとんでもなくて、思わず笑ってしまうほどのバカ火力。まだ始解ですよね……?
キャンディスがこれを喰らって腕一本で済むとは思えないので、あの時は一応威力抑えてたんだろうか。
目を開くユーハバッハ
先の戦闘の割と早い段階で「あれ、ユーハバッハの眼が普通になってる?」と思ってたら、やっぱ手加減してたーーー。
そりゃ「全知全能」があってあんな一方的にやられんわな……。
一護 VS ユーハバッハ (開眼)
今回は「全知全能」発動時に色反転演出入らず。
顔に至近距離から爆撃 → 霊王大内裏の底に激突、とか中々酷いことをする。
ユーハバッハ本人が言う通り基本的に「全知全能」には対策の余地がないとはいえ、せっかくパワーアップした主人公が早々にボコボコなのは切ない。
一護が振り絞るように言おうとした台詞を先読みするユーハバッハは大物感があって良い悪役っぷりだった。
Aパート:その頃の瀞霊廷
技術開発局へ向かう隊長・副隊長たち
隊長・副隊長らのシーンが追加され、各々が技術開発局へ集まる理由が変更。
原作では「隊長・副隊長は今戦っている敵を放置してでも集まるように」という伝令で技術開発局に向かうという流れだったけど、確かにもうあんまり敵残ってないしな……。
平子たちのところは第2クール範囲でバズビーに襲撃されるシーンが丸ごとカットされたのに伴って恋次たちとの合流後の会話シーンもカット。
涅親子の後ろを跳んでる白哉、アバンタイトルではルキア&恋次と一緒にいたのに先に行ったのか。
技術開発局:剣八を治療する浮竹
髪を耳に引っ掛けたスタイルの浮竹、一部の人に刺さってそう。
よく見ると剣八の両隣で治療されてるのは檜佐木と弓親か。
技術開発局:涅マユリ個人研究室
マユリがアバンタイトルで「奴らめ……何を考えている」と零していた一方、浦原は敵の真意を察していて流石。
千手丸の「霊王に見限られた」発言の解釈は前回の感想記事の通りで大体合ってた模様。
思いのほか早い段階でしっかり説明してくれたな。
Aパート:霊王宮 ― ユーハバッハの語り 〜 一護再起
「かつてあった永遠の世界」
「永遠の世界」は原初の世界において死が存在しなかったことを、「永遠を脅かす闇」「闇を退ける霊王の力」の「闇」は虚のことを言ってるはず。
このシーンで映ってる、大内裏の天井の裏側にびっしり書かれてる文字はこの語りの内容に関係あるんだろうか……?
虚を「闇」と表現するのは、個人的に考えていた霊王とは別件の考察を踏まえるとしっくり来た。
この考察はそのうち本館のサイトに載せようと思ってるけど、第3クールの間に答え合わせがされた時のためにfusetterに非公開で投稿だけしておいた。(編集すると「編集済み」と表示されるので、「編集済み」が表示されていないことを以て投稿日時以来編集していないことの証明になるはず)
第3クールで考察が当たっていることが確定したらその時にfusetterの投稿を公開し、間違ってたことが確定したらこの考察は闇に葬ります。(笑)
あと、脳内のエンジョイキングあそぶ (from ぼくわたチャンネル) が「『慧眼の眼』は二重表現だぜ!」って言ってた。
霊王アドナイェウス
「聖別」の詠唱に出てきたアドナイェウスって霊王のことだったの!?
去年のQ&A (483.) で久保先生が「流れによってはアニメで出るかも」と仰っていた霊王の名前、まさか既に出ていたとは思わなんだ。
というかそもそも、ユーハバッハは実子じゃない一護と雨竜にも「我が息子」って言ってるから「我が父」発言もいまいち信用ならないし、霊王を祀ってるのが死神側なので霊王の本名って日本人名だと思ってた。
今更ながら、魂魄の循環の仕方が今の世界とは違っていた原初の世界において新しい存在が「生まれる」ということがあったのかが謎で、ユーハバッハが元々原初の世界の存在なんなら今の世界の住人たちとは親子という概念に対する認識が違うのかも。
双天帰盾
動いてる対象に双天帰盾!?と驚いた。
ネガル遺跡での修行の成果?
アイキャッチ
三界
霊王が楔を刺した場所はそういう儀式場なのかと思ってたけど、3つの世界が「原初の海から分かたれた」なる記述が。
「原初の海」というワードは恐らく初出。
素直に受け取るなら原初の時代は世界の全てが海だったのか?
小説で言及されてた生死のない世界における魂魄の循環についても謎だし、原初の世界での人々の暮らしがどんなだったのかますます想像がつかなくなった……。
Bパート:霊王宮
「俺以外の誰かができたとしても 俺がやらずに逃げていい理由にはならねえんだよ!」
原作ではもっと後の台詞だったのがこのシーンへ移動。
一護の主人公性を表す印象的な台詞なだけに、この台詞の後に霊王を斬らせる構成になっているのが原作に増して惨い。
元々一護がこういう人間になったのは真咲の死がきっかけで、真咲の死の原因を作ったのもユーハバッハだしな……。
天賜兵装「引っ裂き蜘蛛網」
あのワイヤーみたいな武器に名前が付いた!
原作では破られる場面すら描かれてないような代物だけど天賜兵装だったのか……。
「蜘蛛の網」と書いて「くものい」と読む表現があり、「引っ裂き蜘蛛網」で「ひっさきくもい」と読むらしい。
字面的には送り仮名のせいで「天から賜った」という格式高い感じが少し薄まってしまってる気がする。
ちなみに、Netflixの英語版字幕では「Hikkisaki Kumoami」となっていた。
ローマ字表記から間違ってるのはともかく、こういうのって「Tearing Spider Web」みたいに意味で訳したりはしないもんなんだ。
霊王との対面
「引っ裂き蜘蛛網」が青い炎で焼き切られ、飛び火した炎によってカーテンが燃えて霊王の姿が露わに。
この辺も上手い繋ぎ方だなぁ。
前回のラストで霊王に剣が突き刺された時に画面が赤くなったのは演出だと思ってたら、本当に水晶が赤くなっていた。
霊王死す
ユーハバッハがわざわざ一護に霊王を斬らせたのが、5つの要素が揃っていないと霊王の封印を完全に破れなかったためと判明。
単なる嫌がらせじゃなかったんだ……。(笑)
斬られた霊王を見る織姫の表情が悲痛で、霊王の水晶が赤黒く濁っていくのも「死んでしまった」のが見た目に伝わってきて痛ましい。
今話、こういう場面での音楽がかなり良い仕事をしていて、展開を知っていても心臓の鼓動が速くなってしまうくらい緊迫感があった。
色々考察する上では、BLEACHの世界における魂魄の種類が人間・死神・虚・滅却師・完現術者の5種類 (→ 完現術者もここに含まれている) だと明言されたのは何かのヒントになるかも。
「何……だと……」
サービス何だと頂きました。
千年血戦篇の頃にはもうあんまり使われてなかったよな。
Bパート:その頃の瀞霊廷と現世
技術開発局
普通に技術開発局員たちもいて、原作ほどがらんとした状態ではなかった。
先に行った筈の白哉は未到着?
阿近が「門を作る」話はしていたものの、集まった隊長格への説明はまだのよう。
その辺りの話は浮竹の神懸の後になるのか。
現世
啓吾たち、いつもそこで駄弁ってるのだろうか。(笑)
水色は地震の原因を尸魂界絡みの何かだと察していて、原作よりちょっと賢い。
第1話を見た時には人々の生活が感じられるほどリアルに描かれていて感動した空座町の背景を、今度は「滅びゆく世界」の一部として見せられることになるとは……。
次回予告
次回ミミハギ様回ということで、次回予告担当は浮竹。
詩はミミハギ様視点だと思うけど、浮竹のことを言ってるのかアドナイェウス本体のことを言ってるのか……。
言葉の意味として現在は「かつて」と「いずれ」の間であることを考えると後者?
2024/11/07 追記:
改めて見たら普通にミミハギ様 → 浮竹じゃね?となった。
考察
霊王とユーハバッハの過去
原初の海に楔を打ち込もうとするアドナイェウスを遠目に見ているユーハバッハ。
楔が打ち込まれると3つの波紋が生じ (三界の分離が始まる)、波に呑まれたユーハバッハが赤子へ退行して第14話冒頭のイメージ映像へ続く。
これもまた現実にあったことそのままではなくてある程度はイメージ映像じゃないかと思う。
民衆が赤子ユーハバッハを担ぎ上げるシーンの間に壮年ユーハバッハが涙を流すカットが挟まっていたことから一連の場面はユーハバッハの未来視の光景と思われるので、
- アドナイェウスは未来視によって「後に生まれてくる滅却師という種族が不遇の未来を辿る」ことも知った上で贄になった
- ユーハバッハも同じく未来を見、「アドナイェウスが (ユーハバッハを含む) 滅却師の不遇の未来を知った上で三界の贄となる選択をすること」を知って涙を流した
ということか。
赤子に退行したユーハバッハ
大人の姿のユーハバッハが赤子に退行した後、その臍から臍の緒が伸びていた。
臍の緒の逆側は第14話で描かれた母親らしきモノに繋がっているはず。
今回は赤子への退行より後が描かれなかっただけで、実際には更に細胞が形成される前の無の状態にまで戻っていて、そこから第14話冒頭のシーン (何もないところに形作られた細胞が細胞分裂して赤子になる) に繋がる?
バズビーが幼少期に聞いた噂が本当なら、今のユーハバッハは少なくとも1200年以上前に生まれていることになる。
三界分立は100万年前なので、ユーハバッハは三界分立時に一度 体を持たない魂だけの状態にまで戻って (?)、約99万8800年経ってから生まれ直して今に至る……のか?
時代が離れすぎてて繋がりがまだ分からんな。
三界分立とユーハバッハ幼児化の関連
三界が分かたれたこととユーハバッハが赤子に退行したことの関連性が謎。
単に世界の構造が新しくなったのに伴って三界分立の関係者以外は一様にリセットされたのか、「魂を取り込み続けなければ赤子に退行してしまう」体質に関連してユーハバッハだけがそうなったのか。
そういえば何故そんな体質なのかも判明してないっけ。
霊王適性者の虹彩の数
今回、魂魄の種類は完現術者を含めた5種類であることが明言されたわけですが。
第16話の不入参道でのシーンで一護の目に浮かび上がっていた虹彩の数は4つで、元々の虹彩と合わせて5つ。
アドナイェウスの虹彩の数は4つ。
どちらもそれぞれが持っている因子の数と一致する。(小説より、霊王は虚の要素を持っていないという話だった筈。うろ覚え)
しかし、虹彩の数=因子数だとすると、
- ユーハバッハが持っている3つの要素とは? 2つは滅却師と完現術 (≒霊王) だとしても、もう1つが謎。
- 第24話アバンタイトルのシーンや第27話で目が開いたばかりの時は虹彩が2つだったのは何故?
という疑問が……。
水色のiPhone
水色をしたiPhone、ではなく、小島水色's iPhoneの意。
Twitterの検索画面
地震についてツイートしてるアカウントの名前が、「junjun」「NJ0629」「コニタン」でそれぞれ福山潤さん (水色役)、野田順子さん (たつき役・6月29日生まれ)、小西克幸さん (啓吾役) の名前のもじりになってる。(笑)
スクロールされた後に出てくる「うる☆7/10」は、調べてみたところ「うる星やつら」のBD&DVD BOX発売記念イベントが7月10日にあったらしい。
昔の「うる星やつら」のアニメの制作を途中までスタジオぴえろが担当していたそうなのでその縁? (この回の制作時期がその辺りだったとか?)
「うる☆7/10」の下の「kon-kokon」だけ元ネタ分からず。
コン? それにしては唐突な気も。
iPhoneのモデル
こちらも調べてみた感じ、ホームボタンに四角形のマークがないのでiPhone 5s (2013年9月20日発売) 以降、ホームボタンが物理ボタンに見えるのでiPhone 7 (2016年9月16日発売) より前のモデル?
作中では千年血戦篇と同じ年の出来事である死神代行消失篇の頃に織姫が「ワハハの歌」の「ド」候補として「どくろ団」(その名に反してピン芸人) の名前を出しているが、Wikipediaによると氏は2008年末に「カートヤング」に改名しているので、「どくろ団」が存在する時期とiPhone 5sが存在する時期は被らない。
BLEACH世界の現世の出来事は現実世界と全く同じとは考えない方がいいみたいだ。
(ユーハバッハが云々という話の後に何の考察???)
――――――――――
第28話の感想は以上!
何だかんだで次話放送ギリギリの投稿になってしまうな……。
(2024/10/20:各所の表現を微修正)
(2024/11/07:「次回予告」の項に追記)
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