アニメ「BLEACH 千年血戦篇」 第21話「THE HEADLESS STAR」感想

ご無沙汰しております。第21話の感想です。
総集編が挟まったため時間的に余裕があった筈が、結局 最新話最速放送当日の投稿になってしまう体たらく……。

原作既読のため、物語の感想よりもアニメで追加されたシーンや演出に関する感想がメインになります。
先の展開および小説「Can't Fear Your Own World」のネタバレが含まれますのでご注意ください。


第21話「THE HEADLESS STAR」

アバンタイトル

原作ではマスキュリン戦の後にあったユーハバッハの目覚めのシーンがここに来て、アニメもようやく侵攻2日目に突入。

第14話初見時に気になっていた細胞形成のシーンとユーハバッハの「母らしき何か」のシーンがプレイバックされていたので、これらの描写の意味についてもいずれアニメ内で説明が入るのかも?と期待してみたり。


カットされたシーン

原作第566話 (単行本63巻収録) の冒頭

侵攻2日目の最初、ナジャークープが恋次を観察しているシーン。
原作でもナジャークープはこの後 恋次とは戦わずに白哉に倒されるので、原作通りの対戦カードで行くならこのシーンも不要という判断ですかね。

原作第581話 (単行本65巻収録) の冒頭

聖兵と戦う大前田の元に平子&雛森が助けに来るシーン。

ここをカットするとバズビーの「バーナーフィンガー3」が出ないまま次回辺りに恋次 VS バズビーの流れで先に「バーナーフィンガー4」が出てしまうことになりそうですが、恋次に撃つのが3の方になるとか、大前田たちのシーンは後で回想として挟まれるとか、何かしら改変が入るんでしょうか。


剣八 VS バンビーズ

シーンの順番は入れ替わっていますが大筋は原作通り。
剣八が原作よりも多少戦えていたり、電撃を3発喰らってやっとダウンしたりと、若干頑丈になっていましたね。

バンビーズの能力名

4人の能力見せシーンなので原作未読の視聴者にも伝わるように能力名を出すべきところだと思うのですが、キャラ紹介カットインに能力名の記載はありませんでした。
第1クールのドリスコールやR・Q・Yの3人はカットインで能力名も紹介していたのに、何故?

今後の回で新規の戦闘シーンが追加されて、アイキャッチでそれぞれ能力が紹介されるという可能性はなくもないですが。


一護帰還

BGMに新アレンジ&男性ボーカル版の「Number One」が流れたり、サブタイトル表示を挟んで溜めを作ってから一護の『助けに来たぜ』の台詞を持ってくる演出になっていたりと、アニメならではのやり方で一護の帰還を盛り上げてくれていて格好良かったです。

十一番隊士が数十人単位でサクサク殺された後のシーンで流すにしてはイントロがゴキゲン過ぎる気もしますが……。(笑)


一護 VS バンビーズ

一護 VS キャンディス

髪を巻く云々の話を無表情で聞いている一護がちょっとシュール。

キャンディスがキレてからの戦闘シーンはしばらくBGMもなく、一護の台詞も2つともカットされていて淡々とした印象でした。
(カットされた台詞のうち二刀と六刀のくだりに関しては、キャンディスが背中の4枚の羽も一瞬使うという形で映像に反映されてはいますが)

また随分ハイペースで進めてるなと思いながら見ていましたが、この後の展開を見て納得。

一護 VS リル・ミニー・ジジ

突如お披露目される原作未登場のバンビーズの完全版完聖体。
第1クールの頃に久保先生がファンクラブのDesksideで言ってたの、これのことか〜〜〜!!!

今のところ第2クールの中で一番と言ってもよいほど大きな追加要素だけあって魔法少女チックな変身シーンはかなり気合が入っているのが見て取れますし、BGMもギラギラしたギターのフレーズが格好良く、耳に残ります。

キャンディスは完聖体を使えるようになったばかりで (単行本62巻収録の第555話より)、他の3人もあまり使いたがらないようなので、完聖体発動前に「聖隷」を使っていたのは「完聖体の練度が低く、外部から霊子を取り込まないとフルパワーの完聖体になれない (または長時間持続できないなど) から」とかでしょうか。
そもそも完聖体発動前でも「聖隷」使えるんだ、というところが少し驚きでした。

個々の完聖体については以下で1人ずつ順に語っていきます。

ジゼルの完聖体「神の死 (アザルビオラ)」

完聖体名の「神の○○」の後半、2文字縛りなわけではないんですね。

骨状の翼は第17話でも出ていましたが (というか、原作でもどこかで出ていたものと思ってました。気のせい?)、加えて尻尾も生えるとモンスター感が出て良いデザイン。
直接敵を攻撃するタイプの能力ではないようで、そのせいもあってどう強くなったのかはよく分かりませんでした。
(2023/09/11追記:原作で翼が出ていたのはもう少し先のシーンで、単行本67巻収録の第603話でした)

コミカルな骸骨を生み出して敵を襲わせる「ダンシング・デッド・ボーイズ・クラブ」は、骸骨が破壊されようがされまいがお構いなく敵の身動きを封じる拘束技でしょうか。
霊王宮帰りの一護が一時的とはいえ動きを封じられているので、拘束力はそれなりに高そう。

その後に繰り出そうとした「マンチー・マンチー・ベイビーズ」、「マンチー」は「むしゃむしゃ食べる」という意味のmunchから来ていて、大麻を摂取した時に現れる食欲増進作用のことを表すスラングらしいです。
名前からすると先の技で拘束した敵を両手の骸骨で「食べる」のだとは思いますが、食べることによって何が起こるのかは謎。
単純に捕食対象を取り込むだけならそれこそ「聖隷」でよくない?となりますしね。

リルの「ゴールデンクランチ」で首を挟まれての『ぐえー!!』がギャグシーンのノリで処理されたのは笑いました。
それで済んでたまるか。

ミニーニャの完聖体「神の力 (ポーニポラ)」

「とある魔術の禁書目録」読者なので、「神の力」という文字列を見ると一瞬「ガブリエル」と読みたくなってしまう。(どうでもいい)

ミニーは両手に形成されたダンベル状の武器で打撃を繰り出す「ダンベルダスター」をベースに、ダンベルをバトン状に変形させて中距離戦闘を行う「ダンベルダスター・バトンビート」、半円形の刃に変形させる「ダンベルダスター・ハルテレス」と近接攻撃技が主体で、能力が「力 (ザ・パワー)」なだけあってシンプルに物理攻撃特化。

ダンベルが伸びてバトンになるのは面白いデザインですね。
「ハルテレス」は古代ギリシャで使われていてダンベルの前身となった半円形のトレーニング器具だそう。

こういうゆるふわで可愛らしいビジュアルの女子がバリバリに近接格闘タイプというのはBLEACHでは珍しいですし、一護との打ち合いのシーンは短時間ながらよく動いていて、今回の個人的ベストシーンでした。

ミニーニャは原作ではあまり戦闘シーンがありませんでしたが、いざ戦う様子が描かれてみると、最初の侵攻で戦っていたルキアと再戦して欲しくなります。
この後、死神と滅却師で6対8になるシーンでは同じ場所に居合わせてますし。

リルトットの完聖体「神の飢え (ガガエル)」

華奢で小柄な女子と物騒なギザギザの組み合わせ、魔法少女的変身シーンの中でも効果音が全く可愛げのない無機質な金属音というミスマッチさにギャップ萌え的な魅力がある完聖体だと思います。
変身中、両手足にギザギザのリングが出現する時の「カシャン!」という効果音が快感。

技名の「スポーク」は先割れスプーンのこと (スプーン+フォーク)、「スパイフ」はスプーンの持ち手がナイフになっているもののこと (スプーン+ナイフ) で、どちらも食器が元ネタのよう。
完聖体名も技名も (「ゴールデンクランチ」を除いて) 短いのが、ぶっきらぼうなリルトットのキャラに合っていて良いです。

「ゴールデンクランチ」を撃つ時に特記戦力が美味いのかどうかを気にしていましたが、完聖体の技で「食った」標的も腹の足しになるんでしょうか?

……それにしても、普段から仲が良いのだか悪いのだかよく分からない集まりとはいえ、3人同時に完聖体を発動して共闘するのかと思いきやリルもミニーも味方がいるところにお構いなく攻撃して寧ろ味方を妨害する形になっていて、連携の取れてなさがひどい (笑) 。

続・一護 VS キャンディス

キャンディスも完全版の完聖体「神の雷霆 (バルバリエル)」を発動し、ここから原作の展開に合流。
完聖体名の「神の○○」の後半が能力名の漢字表記と全く同じなのも初めてのケースです。
「バルバリエル」、響きがバリバリしていて雷っぽさがありますが、そういうネーミング?

声が付くとキャンディスのキレっぷりとそれを軽くあしらう一護の落差が浮き彫りになり、一人で盛り上がっているキャンディスが原作に増して虚しい感じに……。

2023/09/10 追記:
そういえば、原作で『いくぞ一護ォ!!!』と妙にフレンドリーな呼び方だったところは『いくぞ黒崎一護ォ!!』とフルネーム呼びになってましたね。

月牙十字衝

原作でも一度しか使われておらず、正直なところ今まで「ゆーても原理としては月牙天衝を2つ重ねてるだけでしょ?」という認識だった月牙十字衝ですが、技自体のエフェクトのド派手さは勿論のこと、撃つ前の「踏み込み → 一護と斬月を順に映しながらゆっくりと一護の背後に回り込むカメラワーク」により大技らしい力強い演出になっていて迫力がありました。

アイキャッチで「垂直方向の月牙を衝突させることで水平方向の月牙に対しても霊圧が注ぎ込まれるため巨大な十字になる」と初出の設定の説明があったのも嬉しい。

プチ考察:滅却師完聖体について

完聖体を発動する時、光の柱が出現する場合としない場合があります。
エス・ノトは「神の怯え」発動時に原作にはなかった光の柱の描写がアニメで追加されており、一方 第4話でロバートが完聖体を発動した時などはアニメでも光の柱が出現していません。

今回のキャンディスを見るに、完聖体には簡易版 (翼と光輪が出るだけ) と完全版 (体にも何らかの意匠が追加されることが多い) があり、光の柱が出現するのは完全版の発動時だけということでしょうか。
第4話のロバートの場合、発動を早めて不意打ちをするためにあえて簡易版を使ったのかもしれません。

完聖体名については、ロバートは簡易版でも名乗っており、キャンディスは完全版になってから名乗っているので、名乗るタイミングはどちらでもいいのかも。


破れた障壁

一護の死覇装と72層の防壁に関する説明をマユリにさせることで、より自然な流れになっていました。

藍染 (in 無間)

無間に居ながらユーハバッハの霊王宮行きを察したらしい藍染。

第6話の藍染とユーハバッハのアニメオリジナル会話は久保帯人節が炸裂していて、第1クールの中で1、2を争うほど好きな追加シーンだったので、またオリジナル台詞くるのか!?と少し期待してしまいましたが、今回は台詞はありませんでした。

目と口はいつの間にか再封印されたんですね。

和尚 (in 零番離殿)

ユーハバッハを霊王宮に招き入れたことについて何らかの意図があったことを匂わせる描写が追加。

72層の障壁が破れなければユーハバッハは霊王宮に入れませんが、霊王を殺さずとも死神たちを全滅させてしまえば三界の魂魄の運行を管理する存在が居なくなるので、間接的に世界の均衡を崩すことはできます。
和尚としては零番隊も一護たちもユーハバッハに破れたとしてもその状態から一護を新しい霊王にして三界を存続させる算段があったようですし、ユーハバッハを瀞霊廷に留めておくよりは霊王宮に招き入れた方が確実に三界を存続させられる、という考えでしょうか。


死神 VS 滅却師

一護を追う滅却師たち

ミニーニャの新技「ダイヤモンドプッシュ」が初登場した一方、追撃シーンのナジャークープのターンはカット。
バズビー、ロバート、ナジャークープが原作よりも早い段階で完聖体 (恐らく簡易版) を使っているので、もしかすると彼らも今回のバンビーズのように次回以降の戦闘で完全版の完聖体が披露されるのかも……?

恋次に『お前えの仕事だ』と言われた後、一護の口元が僅かに緩んでいて、恋次に対する信頼が見えるのが良い。

完聖体の色

謎に毎話の記事で恒例になっている完聖体の色チェックのコーナー。

……なのですが。
バズビーの完聖体の色が第16話ラスト〜第17話冒頭のシーンの光の柱の中にはないものだったので、第17話の感想記事でのカウントと矛盾が生じてしまいました。

そこはこちらのカウントミスだとしても、ロバートとナジャークープの翼の色が以前と明らかに違います。
(ロバートの翼は第4話では薄い緑色。ナジャークープは第17話冒頭の光の柱の色がどちらかというとオレンジ寄り)
これはBDで修正されたりするんでしょうか……?


霊王宮を目指すユーハバッハたち

遂に一護が雨竜と対峙。
雨竜の「光の雨」を最初に防ぐのがチャドになっていて、「巨人の右腕」にちょっとだけ出番が。

何やらユーハバッハが裏で呪文を唱えていたようですが、これは次回のアバンタイトル辺りでちゃんと聞けるのでしょうか。


――――――――――

第21話の感想は以上です。

第2クールも後半戦に突入。
シリーズ構成の平松さんが公式サイトのインタビューで「第2クールは終盤にかけてかなり盛り上がると思う」と繰り返し仰っているので、そろそろそこに差し掛かっていくのかと思うと楽しみです。

(2023/09/10:キャンディスの「黒崎一護」呼びについて追記)
(2023/09/11:ジジの翼について追記。その他、細部を修正)
(2023/10/14:表現の重複が気になったので「月牙十字衝」の項の文末を修正。また、台詞の引用部分の括弧を『』に変更)

コメント