アニメ「BLEACH 千年血戦篇」 第20話「I AM THE EDGE」感想
早いもので第2クールももう折り返し。
第20話の感想です。
(最新話の放送までに感想を間に合わせるチャレンジ:4勝3敗)
原作既読のため、物語の感想よりもアニメで追加されたシーンや演出に関する感想がメインになります。
先の展開のネタバレが含まれますのでご注意ください。
第20話「I AM THE EDGE」
やちる VS グエナエル
グレミィの前座とはいえAパートの半分くらいはこの戦いに割くかと思っていたら、グエナエルのモノローグがあちこちカットされ、想像以上に素早く決着。
語ることは少ないですが、短くとも作画や演出は堅実なクオリティでした。
個人的に好きだったところを2つ挙げておくと、1つ目はグエナエルの「消尽点」バージョン3の発動シーン。
原作ではバージョン3を発動した姿 (煙のような状態) とそこから通常状態に戻る場面しか描かれていないので、通常状態からバージョン3への切り替わりはこういうアニメーションになるのかと新鮮でした。
2つ目はグエナエルにやちるの一太刀目が入るシーン。
傷口が開く効果音とグエナエルの仰け反る動きによって「一撃入った」という手応えが感じられるようになっていて小気味よいです。
グレミィ登場 〜 剣八 VS グレミィ 開幕
やちるの表情
グレミィの『僕の想像したことは全て現実になる』の後のやちるの表情、原作を読んだ時は「驚き」だと解釈していたので、「絶望」のような描写になっていたのは少し違和感がありました。(やちるにそんな感情があるのか?という点でも)
しかし、そちらとの対比もあってか、現れた剣八の姿を見てやちるの目に光が灯るシーンは2人の関係性が強く感じられるものになっていて良かったです。
「グレミィ」のアクセント
「グレミィ」のアクセントが思ってたのと違った……!!
今まで「ジャグジー」と同じアクセントだと思っていましたが、「騎士道」と同じアクセントなんですね。
「最終形態」の読みが「レツトシュティール」(レットシュティールでない) であったことと、「ハッシュヴァルト」が「ザッハトルテ」のアクセントでなかったことに匹敵するちょっとした衝撃でした。
こういうの、友人と口頭で話す時などに「『今までしていた言い方』が脳裏に浮かびつつも意識的に『正しい方の言い方』で発声する」時の感覚が楽しかったりします。 (伝わる?)
サブタイトル表示
卯ノ花から名を継いだ自負と共に改めて「剣八」の名を名乗ったところで「I」「AM」「THE」「EDGE」とサブタイトルを表示。
BGMと合わせて盛り上がりますし、大写しになったボロボロの刃の無骨さも格好良い。
アイキャッチ
用語説明「三歩剣獣」
檜佐木が瀞霊廷通信でやちるを取材したという情報は初出でしょうか。
Aパートでも「でておいで」が溜めずに普通に呼び掛けるような言い方だったので、やはり始解ではなさそうに思います。
やちるが剣八の卍解であることから、ホネホネとモコモコも「剣八の中にある (魂魄に混ざっている?) 何か」の具現化だとは考えられますが、始解は (少なくとも見た目は) 直接攻撃系で卍解も詳細不明なので何とも言えないのは変わらずですね……。
用語説明「聖文字 "V"」
グエナエルの「消尽点 (バニシング・ポイント)」と雨竜の「完全反立 (アンチサーシス)」に「The」が付かない理由については1つ私見がありますが、そのうち原作を読み返してからKlub OutsideのQ&Aに送ってみようと思っているので今回は秘密にしておきます。
送る前にアニメで判明するか仄めかされるかして、結局送らずに終わる可能性もあるかも。
石砦を眺める十一番隊士たち
……の中に、原作では単行本の話と話の合間に描かれていただけのマキマキ (荒巻真木造) の姿が!
少しテンション上がりましたが、ここにいる十一番隊士たちって恐らく大半がこの後バンビーズに殺されますよね。
『何が起きてんだ…!?』と言っていた天パで眼鏡の隊士なども、原作第590話 (単行本65巻収録) でゾンビ化しているのが確認できますし。
アニメでさりげなくマキマキの死亡が確定したら結構ショックな気がします。
(本編完結後の小説でマキマキに関する言及があったかどうかが記憶にないので、覚えてないだけで生存が確定していたりするかもしれませんが)
件の天パの隊士は原作では金髪だったのがアニメで黒髪になっていて、第14話でバンビエッタにかっぱあああ〜〜〜された滅却師ことマルセル・ハルプマン氏 (原作では黒髪、アニメでは金髪) と、髪色が、入れ替わってる〜!?
剣八 VS グレミィ
この戦いを今回だけで最後までやり切ってしまうのは意外でした。
今話を見る前の時点ではここまでの原作の消化ペースからして次回いっぱいまでグレミィ戦をやるものと予想していて、それはそれで「戦闘シーンが続く巻はアニメにすると短くなる (→アニメ1話で消化される原作の話数が多くなる)」ということを考慮し忘れているのですが。
カットされたシーンについては別項で語るとして、化け物 VS 化け物で色んな「何でもあり」が見られる戦いだけあってアニメ映えしていて、映像としての面白さは期待を裏切らない出来でした。
グレミィはBLEACHの中でも他のキャラがしないタイプの表情をするキャラだと思っているので、原作で印象的だった表情が完璧に再現されていたのも素晴らしかったです。
好きだった演出
『かかっておいでよ更木剣八』〜『頭の中だけできみを殺してみせよう』のグレミィの手の動きは原作にない描写で、キャラが喋っている中で手の動きだけを追っていくというカメラワークが珍しい気がして印象に残ったシーン。
また、グレミィが自身の死のイメージを消し去るシーンで体や服についた血が「はがれて」いき、斬り裂かれた服が元に戻っていく演出は、隕石や宇宙空間などスケールの大きい事象を起こすのとはまた違う方向でデタラメさが感じられて好きでした。
カットされたシーン
原作にあった「他の騎士団員がグレミィ (と剣八) を評するシーン」は、この戦いを外から見ている人物の視点が入ることで2人の規格外さが際立つのは勿論のこと、ポッと現れて割とすぐに退場してしまうキャラであるグレミィをBLEACHの世界の一員として描くという意味でも重要なシーンだと思うので、できればあってほしかったなぁとは思います。
とはいえ、カットなしでアニメ化するとグレミィ戦が次回の途中で決着するという中途半端な形になりそうですし、Klub OutsideのDesksideでの久保先生の発言から第2クールで単行本何巻まで進むかは大まかに判明していて、確かにあの辺りまで進むなら多少巻く必要はありそうなので、多少カットしてでも今回で収めるという判断には納得。
先述のシーンを入れようとすると本筋の戦いを削ることになりますし、難しいですね。
剣八「くっきーってのァ何だ」
剣八が妙に可愛らしく感じられて好きな台詞。
こういう本筋に必須でない台詞はカットされる可能性もあるかと思っていたので、アニメで聞けてちょっと嬉しい。
やちる「あいっ!」
こっちはやちるが可愛いシーン。
隕石を叩き斬る剣八
原作では隕石を斬る場面自体の迫力よりも初披露となる「野晒」の巨大さ・無骨さを見せることに重点を置いていましたが、アニメでは隕石破壊までのアクションにもかなり力が入っていましたね。
斬魄刀の鋒で石砦の地面を削りながら隕石に向かって駆けていくシーンから疾走感があり、隕石を斬り裂くシーンでは画面が大回転する豪快なカメラワーク。
狂喜する剣八の表情が少年時代に立ち戻るニクい演出もありつつ、閃光が走って隕石が綺麗に真っ二つになる絵面は「剣八」の滅茶苦茶さを端的に表していてインパクト抜群でした。
グレミィの爆発 (宇宙空間の後)
ここだけ滅却師っぽいエフェクト。(十字の光が瞬いてから青白い爆発)
決着
グレミィの身体の崩壊が指から始まるように描写が変更されていました。
剣八に「手が届かない」という意図の演出かなと思いますが、「莫大な力に耐えきれず身体がブッ壊れる」シーンの描写として「指から」というのはしっくり来ず、原作よりも劇的さが薄まってしまったように感じます。
そして、この結末の面白さを味わうには視聴者がこのシーンを咀嚼して飲み込む時間が必要だと思うのですが、余韻に浸る間もないままエンディングが流れ出してしまう形になったのも勿体なく感じました。
これもグレミィ戦を1話に詰め込もうとすると難しそうな部分……。
余談
グレミィの完聖体の色
原作通り、グレミィは完聖体を使わずに退場。
第17話の感想記事でカウントしたところによると、光の柱の色の数から、グレミィなど原作で完聖体を使わなかったキャラも第16〜17話の該当シーンでは完聖体を発動していたと考えなければ数が合わなそうなのですが、この辺りの真相は分かる時が来るのかどうか。
誰のものか判明していない光の柱の色のうち、グレミィの完聖体の色として有り得そうなのは、
- 黄色 or 山吹色 (金髪なので合いそう)
- 茶色 (単行本の表紙の色に似てる?)
- 黄緑 (脳のカプセル内を満たす液体の色) ← New!
シャズ・ドミノ
「13BLADEs.」収録の小説「Beginning of the revive of Tomorrow」にてグエナエルと同様にグレミィの空想の産物であったとされたシャズ・ドミノがアニメでは第14話のアイキャッチにて「聖文字が不明な騎士」という扱いになっていたのが気になります。
小説にあった吉良 VS ドミノ戦をアニメでやるならドミノの聖文字はそこで判明するはずなので、「第14話時点では聖文字不明だが後で判明する」という点では他の騎士団員と同じであり、特別に名前を挙げて「不明」と明言する意味がよく分かりません。
かといって、吉良 VS ドミノ戦をアニメでやらないならやはり「不明」とせずに今回の本編やアイキャッチで触れてしまってもよかったように思えます。
どちらにしても「不明」と言及した理由が謎なので、何かやってくれる前フリなのではないかと少し期待してしまいます。
「ドミノがグレミィの空想の産物」というのは成田先生の独自設定で、久保先生の中にだけあった別の正解をアニメで明かしてくれるとか……。
ちなみに、吉良は「孔に響くよ」のシーンで初めて死人版のビジュアルを見せるのが一番美味しいと思うので、個人的には吉良 VS ドミノ戦を時系列通りにアニメ化するのは難しいんじゃないかと思っています。
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第20話の感想は以上です。
毎回冒頭に記載している通り、主にアニメで追加された部分や変わった部分について感想を書いているので、原作に忠実な部分の割合が多い回ではクオリティの高低とは関係なしに「今回感想に書くことあるかな……?」と心配になってしまったりするのですが、何だかんだでちゃんと文字数膨れるもんですね……。
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