アニメ「BLEACH 千年血戦篇」 第19話「THE WHITE HAZE」感想
明日は感想を書かなくては……と思いながら寝たら、「今日提出のレポートを自分だけ全く書いてきていない」という夢を見ました。
第19話の感想です。
原作既読のため、物語の感想よりもアニメで追加されたシーンや演出に関する感想がメインになります。
先の展開のネタバレが含まれますのでご注意ください。
第19話「THE WHITE HAZE」
アバンタイトル:一護 in 霊王宮
長らくCパート担当だった一護、ようやく瀞霊廷に向けて出発。
千手丸
千手丸の離殿のシーンは結局あれきりでしたね。
今回は一護の新衣装に関連して「72層の障壁」についての台詞が追加されていました。
障壁については原作と同じタイミングでユーハバッハに説明させても悪くはないと思いますが、アニメでは説明パートの説明っぽさを減らそうとしてくれているようなので (後述)、これもその一環でしょうか。
和尚の台詞
『一護 (あいつ) は本当の死神になったんじゃ』という台詞、原作だと「死神として未熟だった一護がようやく一人前になった」ことを感慨深く思っているように聞こえる台詞だったのが、不入参道のシーンを経た上で『死神を踏み越えた 本当の死神にのう』と付け加えられるとだいぶ意味が変わってきます。
和尚は「死神」について読者・視聴者が知らないことも知っていそうなので、この台詞における和尚の真意を完全に読み取れているかどうかは自信がありませんが。
曳舟の握り飯
たしか原作では食べるシーンがなかったやつ。
アニメではどこかのタイミングで食べてほしいです。
銀架城:雨竜とハッシュヴァルト
飛ばされていた蒼都とBG9の処断シーンがここに移動。
前々から少し期待していた2人の完聖体は出ませんでしたが、ユーハバッハの「魂を分け与える力」に関する説明を自然な流れで入れつつ、戦力であるはずの2人を処断することの意味についても触れていて、このシーンをここに持ってきた理由に納得がいく構成でした。
自分のペースで読める漫画や小説なら文章で説明してしまえることも、そのままアニメにすると地の文での説明が映像に反映されなかったり、視聴者が理解し切る前に台詞が流れていってしまったりといったことが起こり得るので、説明パートをどう調理するかはアニメ化に際しての脚本家さん (etc.) の腕の見せ所なんじゃないかなと勝手に思っていたりします。
その点、今作はユーハバッハ周りの説明を上手く再構成してくれているのが嬉しいです。
まだ説明されていない部分についてはどのような見せ方になるのか、密かな楽しみが増えました。
蒼都
「存在しないはずの天秤が見える」シーンは、CGで描かれた巨大な天秤の重量感が物々しく、演出も絶対的に逆らえないものとしての凄みが感じられるものになっていて良かったです。
BG9
体内にはオイルが流れてるんですね、彼。
色々補完してくれているアニメでもやはり能力名すら明かさないまま処刑されてしまったところを見るに、シャウロンがどうこうとかではなくもっと想像を絶する大きな隠し設定があったりするんでしょうか?
ルキア VS エス・ノト
日にちの違い
前半戦のルキア
原作を読んでいる時はもう少し威勢のよい喋り方で脳内再生していたのですが、肉体を一時的に殺していることを意識してか、袖白雪の力を解放している間は普段よりも少しトーンを抑えた喋り方になっていましたね。
戦いが始まる直前の「そうかも知れぬな!」のシーンは原作でのルキアの不敵な笑みが好きだったので、目元のアップのみになっていたのは少しだけ残念でした。
恐怖演出
気合い入り過ぎでは!?
- 急に現れるエス・ノトの手
- ちゃんと左側にだけ聞こえる『アはっ 怖イ?』
- 恐怖について語るシーンのオリジナル演出全般
- 袖白雪で凍らされた状態からの復活前、一瞬映るエス・ノト
- 完聖体発動時、一瞬臓物が身体の外へはみ出そうになる描写
- 一護・織姫・白哉の腐敗イメージ → 白哉 VS エス・ノト戦を踏襲した羽虫の群れの演出
……と、原作にあった演出もなかった演出も交えながらあの手この手で恐怖や嫌悪感を煽ってきて、今回だけ別アニメか???というくらいの力の入れよう。
「恐怖を退けて歩む」ことをテーマとした作品で死神側の主人公であるルキアが直接的に「恐怖」を操る敵と対峙するという象徴的な戦いなので、「恐怖」の演出に力を入れるのはもちろん正しいのですが、それはそれとして個人的にはもはや途中からちょっと面白くなってきてました。(笑)
エス・ノトの演技
松岡禎丞さんの怪演も今回の大きな見どころ。
特にどうなるのかと注目していた完聖体発動前のシーンの叫び声は、「低くてボソボソとしたエス・ノトの声質」と「激昂した状態での荒々しい叫び声」という相反するかと思われた2つの要素を見事に両立していて、そんなことが可能なのかと感動してしまうほどでした。
通常時の声でさえ演じるのが難しそうなキャラクターだけに、逆上した時の演技や病床の回想での弱々しい喋り方などもそれぞれを乖離させずに1人のキャラクターの声として演じ分ける手腕には「役者さんってすげえな……」と思わずにはいられません。
完聖体発動時の光の柱の色
原作になかった光の柱の発生シーンが追加されていました。
色からして、第17話の冒頭で緑・オレンジと同時に出ていた青紫色の光の柱がエス・ノトのものだったという予想 (第17話の感想記事参照) は当たりとみてよさそうです。
つまり、第17話の裏側では原作にはない「マスクありのエス・ノトの『神の怯え』」が存在していたということに……?
完聖体「神の怯え」
色が付くと不気味さ数割増し。
君だけ他の完聖体と雰囲気違いすぎない?というか、巨大化して目玉飛び出ちゃったりしてるけどここまでやっても元の姿に戻れるもんなんでしょうか。
「視神経ヲ通ッテ君ニ恐怖ヲ捻リ込む!!」の後、いきなりドーム状の背景に切り替わってからの一瞬の無音が、突然のことに見ているこちらも一瞬息が止まってしまうような演出で好き。
恐怖に蝕まれたルキアの叫び声はまさに言葉にならない本能的な叫びという感じで、これまた声優さんの凄さを感じました。
アイキャッチ:「卍解『白霞罸』」
ちょうど前回「『神の威光』の読みをアイキャッチで出してくれたりしたら嬉しかったけど、そういえばBパートで登場する要素はアイキャッチで先に説明しちゃうわけにはいかないのか……」とか思っていたところに、今回は霜を思わせる白塗りで名称とイラストを隠して「白霞罸」を先出し。
塗り潰しは第1クール最終回の斬月だけの特別演出だと思っていたので盲点でした。
現世側の主人公である一護の斬魄刀と死神側の主人公であるルキアの斬魄刀、かつ黒と白で対になっていますね。
他のキャラではそうそうできなさそうなやり方ですが、だからこその特別感があってお洒落でした。
目玉の群れ
白哉の元に目玉の群れが集まってくるシーン、あまりの数にぞわっとしました。
謎の塊に目玉が1つというビジュアル、改めて見ると何かの妖怪みたいですね。
刳屋敷剣八の「餓樂廻廊」の目バージョンみたいな。
特殊ED
BLEACHでこういう形の特殊EDをやるとは思っておらず、イントロのノイズ音が鳴ったところで「えっ!?」と声に出てしまうくらい驚きました。
「戦闘シーンで主題歌が流れる」は盛り上がる演出として定番ですが、それをEDテーマでやっているのは初めて見た気がします。
「Endroll」がEDテーマとしては激しめな曲調であることがこんな形で活かされるとは。
欲を言えば、「白霞罸」は「動」よりも「静」のイメージが強いのでEDテーマなしで静かに演出したバージョンも見てみたかったです。
BDの特典映像にそっちのバージョンも入りませんかね?
ルキアの卍解「白霞罸」
ルキアの卍解姿は原作の絵が高い再現度でアニメに落とし込まれていて圧巻の美しさでした。
静かなBGMに戻り、「朽木ルキア 折笠富美子」が最初にクレジットされるのも粋な演出。
こうして見ると、前回の恋次 VS マスキュリン戦は「力と力をぶつける戦い」「派手なアクション」「赤系の色がメイン」、今回のルキア VS エス・ノト戦は「精神の強さを問われる戦い」「見せ場は『静』の演出」「青系の色がメイン」と綺麗に対照的ですね。
Cパート:勇音&やちる VS グエナエル
前回 救護詰所で大勢の隊士が治療を受けている描写があり、感想では「ここにグエナエルやグレミィが来たら原作とは少し違った展開になってしまうのでは?」というようなことを書きましたが、拳西とローズが寝かされている部屋は別室で、原作通りの展開でしたね。
次回予告 (by グレミィ)
本編でまだ一度も喋っていないキャラクターが次回予告を担当するという珍しいケース。
千年血戦篇全体の中でも大きな見どころである剣八 VS グレミィ戦がいよいよアニメで見られるわけですね。
事前にハードルを上げすぎてしまうのもよくないとは思いつつ、今作にはここまでに積み上げた信頼と実績があるので、おのずと期待も高まるというもの……!!
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第19話の感想は以上です。
ここに書くことが特にないので前回のあとがきに続いての余談なのですが、第1クールの感想を書くのを挫折したもう1つの理由は「感想が最新話まで追いつかずに辛くなってきた時期に『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の発売がカブったから」です。
バイオレット面白かったです。
……第2クールの途中で「ゼロの秘宝」前編が出るんですが大丈夫でしょうか。
(2023/08/20:特殊EDと白霞罸の項を分け、内容を加筆修正。その他、細部の表現や文章の順番を微修正。)
(2023/08/23:細部の表現を微修正。)
(2023/09/09:「エス・ノトの演技」の項を改稿。)
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