アニメ「BLEACH 千年血戦篇」 第24話「TOO EARLY TO WIN TOO LATE TO KNOW」感想
土曜の昼という珍しいタイミングで投稿。
第24話の感想です。
原作既読のため、物語の感想よりもアニメで追加されたシーンや演出に関する感想がメインになります。
先の展開および小説「Can't Fear Your Own World」のネタバレが含まれますのでご注意ください。
第24話「TOO EARLY TO WIN TOO LATE TO KNOW」
アバンタイトル:光の帝国 (回想)
「光の帝国」の風景が映し出されて始まり、「銀架城のアーチって元々繋がってたんだ……」とか、「重要施設を中心に同心円状の壁に囲まれてるの、瀞霊廷みあるな」とか思っていたら、なんか想像もしてなかったとんでもないシーンが始まったんですけど!?なアバンタイトル。
和尚とユーハバッハの協議
会議場ということで第15話のアバンタイトルで登場した「聖章騎士公会堂」を思い出しましたが、椅子のデザインは別物でしたし違う場所でしょうか。(いや、1000年も経てば椅子くらい新調してもおかしくないですが)
ごく初期から話には出ていた「死神と滅却師の協議」が双方のトップ同士で行われていたというのは考えてみれば当然ではあるものの、和尚とユーハバッハがこのような形で面識を持っていたとは何故か想像したことがなく、個人的には割と驚きの光景でした。
余談ですが、この2人の面識といえば、原作第63話 (単行本8巻収録) で斬月が一護に名乗ろうとした時に名前が黒塗りになって聞こえなかったのが和尚の仕業であったという件 (Klub OutsideのQ&A 117.より) も気になります。
この件、1000年前の戦いで元柳斎があれだけ追い詰めたユーハバッハを殺し損ねたことの不自然さとも関わりそうな気がしているので、3〜4クール目で触れてくれたら嬉しいなぁと。
ユーハバッハの行動原理
和尚との会話の中で、ユーハバッハが三界を崩壊させようとした動機が個人的な死への恐怖だけでなく民のためでもあったことが判明し、真っ当に一国の王らしい部分が見えて少し見方が変わりました。
霊王宮に到着してからのシーンでも、ユーハバッハの目的が分かりやすくなるような台詞が追加されています。
久保先生はQ&Aの327.で「『悪役』は『価値観の隔たりが受け入れられないほど大きなキャラクター』だと思っていて、悪役への共感や同情を促す類の過去描写はあまり好きではないため作中で入れていない」(要約) と仰っていたので、アニメでこのようなシーンが追加されたのは少し意外でした。
僕はBLEACHに限らず、あえて描かないという手法も、描かれていない部分を想像して楽しむのも好きですが、自分の好きなコンテンツには詳しくなりたいタイプの人でもあるのでこういった掘り下げは大歓迎です。
和尚と霊王の左腕
互いに動きを起こす直前、ユーハバッハの『見えているぞ』と和尚の『見せてやろう』が重なるのが格好良い。
でもって、和尚に霊王の左腕が宿っていたのはかなり衝撃的でした。
和尚の手の甲と指には毛が生えていますが、霊王の左腕が発現しているシーンでは左手に毛が生えていないところを見ると、霊王の左腕を発現させた時のみ左手自体が霊王のものに置き換わるのでしょうか。
何故霊王の左腕が和尚に宿っていたのか、左腕は霊王宮で管理できていたのなら右腕は何故流魂街に落ちたのかなど、謎が深まります。
掌に眼が開いてユーハバッハに霊王の過去を見せるシーンや和尚から分離した巨大な左手がユーハバッハの中に入り込むシーンなど、霊王関連のエフェクトはどれも「人智を超えた力が働いている」ような凄みが感じられる良い演出でした。
巨大な左手が「灰色」である点と、和尚の掌に目が開く時と左手が分離する時の「泡立つような演出」は、第17話のCパートで一護に流れ込んだ4色の光が混ざって「灰色」になったことと、その後 一護の身体のシルエットが「ぶくぶくと膨らんで」いったことを彷彿させます。
改めて第17話を見直してみると、やっぱり木刀が意味ありげだな……。
過去を見たユーハバッハ
「過去を見せる」というのはユーハバッハの「未来を見る」能力とは対照的ですね。
これも今まで描かれてこなかっただけで単に霊王の力の1つなのでしょうか。
ユーハバッハが見た過去の中の「四肢を切断された霊王を抱きかかえる和尚」、だいぶ悪役じみて見えます。
小説「Can't Fear Your Own World」III巻の212〜213ページの記述によると霊王の四肢を切断したのは五大貴族のうち何家かの始祖たちであり、そこに和尚は関与していないようですが、この場面での和尚はどんな感情で霊王を見下ろしていたのでしょう。
和尚個人の思想、何故霊王に仕え三界を保とうとするのかが全く見えてこないのが不気味です。
……ところで、前回登場したマユリの「過去を見通す力を与える薬」、実際には既に見たことのある光景とそこから派生する別ルートを脳内で再現しているだけですが、本当に「自分が知り得ない過去の出来事も見通せる」力が手に入ったら、瀞霊廷に居ながら尸魂界開闢の頃に何が行われたかさえ知ることができてしまいそうです。
思いつきで書いてみただけで、マユリがあの薬を作ろうとした元々の理由がそれだった、とかでは流石にないと思いますが。
ユーハバッハの謎
和尚から分離した霊王の左腕がユーハバッハの中へ入り込み、「全知全能」が消失。
「前進」を司る左腕が入り込んだのに能力が抑制される原理は謎ですが、「霊王の左腕が滅却師側に渡った経緯」「1000年前の戦いでユーハバッハの眼が開いていなかった (第1クールでの描写より) 理由」と2つの謎は解消されました。
過去を見たユーハバッハが和尚の左手を掴んで言った『子の贄に過ぎぬ父の手で、命を与えこそすれ〜』という台詞も気になります。
霊王が命を与える力を持っていたのであれば、やはりユーハバッハもそれによって命を与えられた存在ということでしょうか。
女性滅却師
ヒューベルト、ザイドリッツ、アルゴラの3名に混ざって、見たことのない女性滅却師が。
和尚の力量を見極めず軽率に攻撃に出たことから、4人の中では新入りなのかなという印象を受けました。
ここで新キャラを出してきたということは、3〜4クール目で1000年前の戦いに至る過去篇 (1000年前の戦い自体も?) を描いてくれると見てよいのではないでしょうか。
初代護廷十三隊 VS 初代星十字騎士団の戦いも見てみたいですし、もっと時代が下って宗弦の過去篇もあれば雨竜の出生の秘密についても触れられそうですし、色々と妄想が膨らみます。
霊王宮へ向かう一護たち
岩鷲が相当久し振りに自称ネタをやっていたり、砲台が筒状ではなく天柱輦を模したデザインになっていたり、発射後に一護の霊王宮での修行を踏まえた台詞があったりと、いくつか追加・変更点あり。
千年血戦篇での織姫の衣装、個人的にはどちらかというと「ヘンテコな服」という印象でエロいとは思わないのですが、今回の『石田くんがいたんだよね……』の後の織姫 (三角座りで両腕を膝で支えているポーズの時) 、このヘンテコな服すら様になっていてズルいと思いました。(何の話?)
その頃の雨竜
霊王大内裏を見上げる雨竜の左胸の辺りが青白く光った後、アップになった左目に血装の紋様が浮かぶというシーンが追加されていました。
雨竜が血装を使う描写は初めてですね。
非戦闘時に攻撃能力や防御能力を高める意味はないので、「攻撃能力を高める」とされている動血装が本質的には「身体能力の強化」で、目に血装を使っているのは「視力を強化して大内裏の中を見ようとしている」という描写であろうと推測。
左胸の光については、「完全反立」を使って大内裏の中に何かを転送したのかと思いましたがよく分かりません。
そもそも雨竜がここで大内裏の中を見ようとする動機が不明ですし、これも宗弦の手記を読んで知った何かに関連していそうです。
侵入者を迎え撃つ千手丸
放送に先駆けて公開されていたあらすじの通り、ユーハバッハたちを最初に迎え撃つのが天示郎ではなく千手丸と神兵たちに変更されていました。
神兵 VS 聖兵
神兵たちが聖兵を一刀両断。
展開こそ違うものの、斬られて宙を舞う聖兵たちのカットは原作で天示郎が聖兵を倒した時のコマを意識していたように見えます。
第16話のアバンタイトルで未始解状態の射場さんが聖兵に苦戦していたことから考えると、神兵って副隊長より強いのでしょうか。
神兵は全員右利きなのに聖兵は右利きと左利きが半々くらいなのは一体何の意図が……?
VS ニャンゾル
ニャンゾルの「紆余曲折」の効果音が随分コミカルに聞こえるような (笑) 。
千手丸 VS ニャンゾル戦は台詞がいくらかカットされて短めにまとまっていました。
ニャンゾルの方の台詞にも「悪い癖」というワードを入れ、台詞の順番も入れ替えて千手丸の方の「悪い癖」の話にスムーズに繋がるようになっていたのが細かい良改変。
元々短い戦いなのでカットが入っても駆け足感はそれほどありませんでしたが、一護たちのパートで岩鷲の台詞を増やす尺があるなら『千手丸の名は伊達では無いぞ』は聞きたかったです。
階段を下りてきた千手丸がわざわざアームでニャンゾルをポイしているのがシュール。
零番隊 VS 親衛隊
千手丸 (偽) に斬りかかるジェラルド
振り下ろされたジェラルドの剣で参道の床に穴が空いた後、床の裏側方向へ突き抜けた光の色から、ジェラルドの霊圧は赤色のようですね。
曳舟登場
「産褥」の説明をする曳舟、逆光で顔に影が掛かっていて少し大物感が出ていました。
ジェラルドがリジェに対して『万物貫通 (イクサクシス) の名折れだな!』と言う台詞がありましたが、だから何故カットインに能力名を載せない!?
カタカナで「イクサクシス」と言われても、原作未読の視聴者にはX軸の意であることすら伝わらんでしょうに。
王悦 VS 親衛隊
鞘伏の斬撃音は原作の「ヌッ」とは少し感うイメージの音でしたが、弾丸を斬っても人体を斬っても全く手応えなくスパッと斬れてしまう異様さは再現されていましたね。
ペルニダの頭部に鞘伏が刺さった後、王悦が瞬歩で追いついてくるのに合わせてエレギのフレーズ (バンビーズ完聖体回のやつ!!) が鳴り始める演出は痺れる格好良さでした。(エレキだけに) (うまい)
鞘伏について語る台詞の『斬れ味が良すぎて 刃がなめらかすぎて 幾ら斬っても刃毀れしない』の部分、王悦の独特の喋り方がハマって小気味よいリズム感になっていて好き。
「産褥」を出るユーハバッハ
ユーハバッハが急にメダリオンを放り投げたかと思うと、雨竜の「完全反立」による位置交換で産褥を脱出。
驚くハッシュヴァルト (この時点では雨竜の能力を知らない) の後に意味ありげに雨竜を映していて、まだ明言はしないまでも雨竜が何かしたということを仄めかす見せ方になっていたのが原作ファン的ニヤリポイントでした。
ちなみに自分はメダリオンが映った時、アニオリ展開で残火の太刀でも使うのかと思いました。
雨竜、よくあの一瞬で意図を察したな……。
原作ではハッシュヴァルト戦でしか使っていなかった完全反立を活用して展開を変えてきたのは面白いですが、産褥くんはメダリオンも防いでくれるべきでは。
メダリオンが檻を抜けられるなら本人が普通に通り抜けることもできそうなものですが、何が違うんでしょう?
和尚とユーハバッハ
和尚の『軽々しくわしの名をを呼ぶのう…』の前に「何度叱っても」と今回のアバンタイトルで描かれた過去のやり取りを踏まえたフレーズが追加。
ここの会話はほぼ原作通りですが、この1話の中で「過去で和尚とユーハバッハが対峙するシーンに始まり、現在で2人が再び対峙して終わる」という構成になっているのが綺麗で、より次回への期待が煽られる引きになっていました。
次回予告
第1クールの最終回2話連続放送時 (第12〜13話) と同じく、次回 (第25〜26話) も配信では第25話の最後に次回予告が入りそうなものですが、今回の予告担当が和尚なら次回の担当は誰になるのでしょう?
次回のあらすじ (公式サイト)
公式サイトのあらすじで次回の対戦カードが明かされていてテンションブチ上がりました。
実を言うとバンビーズの完聖体が出た時点では「第2クールの大きい追加シーンはこれだけって可能性もあるんじゃないか」とか密かに思っていたのですが、んなわけなくてよかった。
ここまで来たらそれはもうめちゃくちゃ期待してしまいます。
天示郎 VS ハッシュヴァルト
原作でニャンゾルに攻撃が通らず焦っていた天示郎はまぁまぁ格好悪かったですが、ニャンゾルに関しては強ければ攻撃が通るというものではないので、ここで「雷迅の天示郎」の二つ名に恥じない高速戦闘が超作画で見られることを期待。
順当に考えればカットされた始解シーンはここに来るとして、名誉挽回ついでに卍解もしてくれると嬉しいですね。
卍解したところで「世界調和」があるハッシュヴァルトにまともに攻撃が通るビジョンが見えないのが何とも言い難いのですが……。
千手丸 VS 雨竜
裁縫が得意な人対決 (雨竜は1年のとき手芸部) 。
それにちなんだ台詞があったりは……どっちでもいいな。(笑)
千手丸の方は原作でニャンゾル以外との戦闘シーンがほぼないので、どんなアクションをするのか全く未知数。
元々技術系の人ということでトリッキーな戦い方を見せてくれそうではあります。
雨竜の方は、原作通り「完全反立」の説明をハッシュヴァルト戦まで取っておくなら純粋に聖文字以外の能力だけで戦う感じでしょうか。
雨竜の戦闘シーンも第1話の巨大虚戦以来なので楽しみです。
曳舟
曳舟だけあらすじに名前が登場せず。
1人だけ何もしないとは考えにくいですし、斬魄刀の能力が広域補助系とか……?
聖別 → 親衛隊復活
原作では王悦 VS ナックルヴァール → 聖別により親衛隊復活 → ユーハバッハが檻を出るという順なので、アニメは現段階で既に原作とは違う流れになっています。
あらすじの通り和尚の千里通天掌が出た後で偽霊王宮パートに移るのであれば、ハッシュヴァルトや雨竜の方はある程度戦った後 決着がつかないまま和尚 VS ユーハバッハ戦の方に戻り、そちらの戦いの途中で聖別が行われる形になるのでしょうか。
第25話のラストで聖別、第26話で本格的に和尚 VS ユーハバッハ戦開幕となるのが綺麗ですかね。
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第24話の感想は以上です。
明日が待ち切れない!!
そういえば、次が第2クールの最終回なので、次話放送までに感想間に合うかチャレンジは今回で一旦最後ですね。
結果は7勝4敗。意外とちゃんと勝ち越せていてホッとしました。
第3クールでは全勝を目指したいところ。
(2023/10/14:「次回のあらすじ」の冒頭の文章の表現を微修正。)
(2023/11/06:「霊王の左手」と表記していた箇所を「霊王の左腕」に修正。)
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